千秋楽から一夜明けた記者会見で、笑顔を見せる稀勢の里=東京都江戸川区で2017年1月23日午前9時36分、北山夏帆撮影
大相撲初場所を14勝1敗で初優勝し、横綱昇進を確実にした大関・稀勢の里(30)=本名・萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が千秋楽から一夜明けた23日午前、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で記者会見した。15歳で角界入りし、15年かけての悲願達成に「ようやく手にしたものですけど、またもう1回優勝できるように頑張っていきたい」と引き締まった表情で話した。初めて抱いた賜杯は「いい重みというか、何ともいえないものでした」と振り返った。昇進が確実となっている横綱については「負けたら終わり。責任ある地位だと思う」と語った。
昨晩はよく眠れたといい、笑顔。千秋楽結びの一番では白鵬の攻めを土俵際でしのぎ、自身初の14勝目を挙げて優勝に花を添え、「自分の力以上のものが働いたような気がした。あの残り方は人生でもないような気がした」と話した。また、14日目に優勝が決まった後、支度部屋で流した一筋の涙については「気のせいじゃないの」とはぐらかしつつ「まだ場所の途中。あの時点ではうれしさはなかなか語っていられない」と心境を明かした。
2011年九州場所直前に亡くなった先代師匠の鳴戸親方(元横綱・隆の里)への思いを聞かれ、「感謝以外の言葉が見つからない。もっと強くならないと、本当の恩返しにならない。ここからじゃないですかね」と誓った。【村社拓信】