男は思った。ずっと息子と話していない。
ドライブにでも行ってふたりだけの時間をつくろう。そして息子を連れ出した。助手席に座る息子に質問を投げかける。「学校はどうだ?」「どんな遊びが流行ってるんだ?」息子がおもむろに口を開く。ようやく緊張がほぐれてきた、その時だった。
事故にあった。
前方からの車が、対向車線をはみ出してきた。危ない!と避けようとハンドルを切ったのが最後。あっという間の出来事だった。
事故を目撃した近隣の住人がすぐさま119番し、ものの数分で救急車が来た。しかし、症状の度合いか、受け入れる病院のキャパシティの問題か、息子と父親は同じ病院には運ばれなかった。搬送先は別々になってしまったのだ。
息子の搬送先となった病院では、スタッフが玄関に待機。救急車が到着したと同時に慌ただしく手術室に運ばれた。運び込まれてきた患者を見て、執刀医は言った。
「これは、わたしの息子だ」
さて、二人の関係は?
実はこのクイズ、すこし脚色をしてあるがケビン・コスナー主演の映画「ティン・カップ」の冒頭で紹介されたもの。
「安全策をとる」ということができない性格のために、ゴルファーとしての天才的才能を持ちながら、しがないレッスン・プロに甘んじているロイ・マカヴォイ-通称ティン・カップ-。かつてのライバル、シムズの恋人である彼女を振り向かせるために、ロイは全米オープンへの挑戦を決意。人生最大の”賭け”がはじまった!
- 出演:ケビン・コスナー、レネ・ルッソ、ドン・ジョンソン
- 監督:ロン・シェルトン
映画自体はあまり印象に残っていないが、冒頭のクイズが秀逸でつかみが良かった記憶がある。
このクイズに悩む人がいなければ、みんなが輝く社会になっているのかもしれない。