22日午後3時50分ごろ、和歌山県有田市初島町浜の東燃ゼネラル石油和歌山工場で火災が起きたと119番があった。プラントから炎が上がり、周囲には黒煙が立ち込めた。けが人はいない。市は1281世帯、2986人を対象に避難指示を出し、市民500人以上が避難所2カ所に身を寄せた。
和歌山県警有田署や東燃などによると、工業製品に使う潤滑油を精製するプラントが燃えたとみられる。出火当時、周辺に約10人の作業員がいたが無事だった。消防車40台以上で消火にあたったが、23日になっても火の勢いは収まらず、少なくとも100平方メートルが焼けた。爆発は起きていない。
避難所となった市文化福祉センターや中学校では、毛布や飲料水が用意された。会社員の女性(37)は「風が強く、燃え広がらないか不安だ」、女性の長男(8)も「早く家に帰りたい」とおびえた様子で話した。
東燃社員は22日夜に避難所を訪れ、「誠に申し訳ない。深くおわびする」と謝罪した。
和歌山工場では18日にも、今回の火災現場から約1キロ離れた清掃期間中の原油貯蔵タンク内部が焼け、鎮火まで約35時間を要した。
和歌山工場は有田市役所から数キロ離れた沿岸部にあり、敷地は約250万平方メートル。24時間稼働し、ガソリンや灯油、化学製品の原料になるベンゼンも精製している。〔共同〕