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【大相撲】

白鵬、真っ向勝負「運命に任せた」

2017年1月23日 紙面から

稀勢の里にすくい投げで敗れた白鵬(手前)(堀内翔撮影)

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◇初場所<千秋楽>

(22日・両国国技館)

 白鵬は真っ向勝負を挑んだ。稀勢の里が横綱になるべき男なのか、肌で感じるために。一気に土俵際まで詰め寄った。あらん限りの力で、さらに寄る。だがそこまでだった。ついに寄り切れず、稀勢の里のすくい投げに沈んだ。

 白鵬は、ことあるごとに「強い者が大関になり宿命、運命を持った者が横綱になる」と言い続けてきた。この日はそれを確かめたかった。「真っすぐいって、勝敗は宿命、運命に任せたという感じですね。最初は軽いなと思ったけど、土俵際で残せる。その辺が強い大関が優勝したんだと思いましたね」。取組後の白鵬はそう話した。

 土俵際まで寄り立てたとき、いつもの白鵬ならほかに技を仕掛けることもできたはず。引いてしまえば稀勢の里は落ちたかもしれない。あえてそれをせず、前にだけ攻めた。勝つ方法はほかにもあったのでは、と聞かれると、それでも「宿命だから」とさわやかな表情で答えた。

 かつて、稀勢の里について「白鵬を倒すには日ごろの生活をよくしないとね」とまで言ったことがある。そして「勝負の世界は強い者が勝つが、運に左右されますからね。というとなれば、目に見えないものが、向こうから『いいんだよ』と言ってくれる」とも。この日の一番で、相撲の神様が稀勢の里に対し『横綱に上がってもいいんだよ』と…。白鵬はそう感じたに違いない。 (岸本隆)

 

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