退位など検討する有識者会議 論点整理きょう公表へ

天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議は、23日、退位を天皇陛下一代に限った場合と、将来のすべての天皇を対象にする場合の、それぞれについて、利点と課題を併記した論点整理を公表する予定です。論点整理では、政府内で有力視されている、退位を天皇陛下一代に限った法整備を推奨する意見が詳細に記述される見通しです。
天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議は、23日、安倍総理大臣や菅官房長官も出席して9回目の会合を開き、専門家からのヒアリングやメンバー間の議論を踏まえて論点整理を取りまとめ、公表する予定です。

論点整理では、天皇の負担軽減への具体的な対応として、摂政の設置要件の拡大や退位などについて、メリットとデメリットを併記し、さらに、退位を天皇陛下一代に限る場合と、将来のすべての天皇を対象にする場合の利点と課題も併記される見通しです。

関係者によりますと、摂政の設置要件の拡大や退位を将来のすべての天皇を対象にする場合については、メリットよりもデメリットが数多く明記されるのに対し、政府内で有力視されている、天皇陛下一代に限った法整備については、推奨する意見が詳細に記述される見通しだということです。

天皇陛下の退位をめぐっては、国会でも、衆参両院の正副議長が与野党各会派から個別に意見を聞いたうえで、3月中旬までをめどに国会としての考え方をまとめることにしており、有識者会議は、論点整理に対する世論の動向や国会での議論の行方を見極めながら、最終的な提言に向けて議論を行うことにしています。