中東市場を狙う韓国化粧品メーカー、攻略は容易でないとの指摘も

中東市場を狙う韓国化粧品メーカー、攻略は容易でないとの指摘も

 「世界最大のショッピングモール、『ドバイモール』1階の化粧品売り場には、シャネルやディオールなどのブランドがひしめき合っている。ここはヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ)やアバヤ(全身を覆う布)に身を包んだ中東の女性たちで常ににぎわっている。彼女たちはリップスティックやアイシャドーなどを試しながら選び、すぐ近くにあるカフェに移動しておしゃべりをする。華やかに化粧した顔を自撮りして、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に載せる人もいる」

 2015年にドバイへ1年間派遣されて研修を受けた韓国化粧品大手アモーレパシフィックのシン・スクヨンさん(33)の体験談だ。同社は中東市場の事業性を検討するため、14年からドバイやアブダビ、テヘランなど中東諸国の主要都市にシンさんのような地域専門家「ヘチョ」を派遣してきた。この呼び名は中国やインドなどを旅した新羅時代の僧侶、慧超(ヘチョ)から命名した。

 韓国の化粧品業界にとって、中東が新たな有望市場に浮上している。中東の化粧品市場は世界で最も速いペースで成長を遂げている。調査会社のユーロモニターによると、同市場の規模は15年には180億ドル(約2兆円)だったが、20年には360億ドル(約4兆円)と5年で約2倍に成長すると見込まれている。20年までの年平均成長率は15%と、南米(14%)やアジア(7%)を上回り世界で最も高い。

 また、中東では韓流の影響で韓国の化粧品に対するイメージが急上昇している。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の関係者は「中東のイスラム教国は昔から女性の化粧をタブー視していたが、最近は働く女性が増え、生活スタイルが欧米化したことに加え、テレビやSNSの影響もあって化粧品の消費が増えている」と話した。

■アモーレはメークアップ、LG生活健康は基礎化粧品で勝負

 アモーレパシフィックグループは11日、中東市場の攻略を本格化するため、中東の流通最大手アルシャヤ・グループと業務提携契約を結んだと発表した。傘下のメークアップブランド「エチュードハウス」は年下半期にドバイに1号店を開業し、クウェートやサウジアラビア、カタールなどへ店舗を広げていく計画だ。昨年5月にはドバイの経済特区に100%出資会社の中東法人を設立した。同グループの徐慶培(ソ・ギョンベ)会長は「中国、東南アジア、インド、中東、欧州などへの進出を拡大する」とし、向こう5年以内に中東での年間売上高を1000億ウォン(約100億円)に到達させる目標を示した。

李恵云(イ・ヘウン)記者
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