カンボジア国籍の女性7人に売春強要か 3容疑者逮捕 FBで大使館に助け求め発覚
カンボジア国籍の女性に不法就労させたとして県警は19日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで渋川市伊香保町の風俗店経営、渡辺久雄(44)、タイ国籍の女で沼田市柳町の風俗店経営、チョンタパー・チュダーポン(44)、沼田市西原新町の風俗店従業員、後藤知幸(32)の3容疑者を逮捕した。県警では、3人が就労資格のないカンボジア人女性7人を店員として雇用し、売春を強要したとみて売春防止法違反適用も視野に捜査を進めている。
逮捕容疑は、共謀し平成28年11月10日から同12月2日にかけ、渋川市伊香保町の店舗名不詳の風俗店と、沼田市東倉内町の飲食店「GOLD」で、就労資格のないカンボジア人女性7人(20~36歳)をホステスとして雇用し不法就労させたとしている。
渡辺容疑者が伊香保の風俗店を経営、後藤容疑者が同店で働き、チョンタパー容疑者が「GOLD」を経営していた。
同容疑者は容疑を否認、渡辺、後藤容疑者はおおむね認めている。
昨年、カンボジア人女性がフェイスブックを通じて在日カンボジア大使館に助けを求めたことで発覚し、7人は現在、大使館の保護下に置かれている。
大使館は同12月5日、県警に対し「日本でウエートレスをすれば、月3千ドルくらい稼げるといわれて、日本にきたカンボジア女性を保護している。この女性たちは渋川と沼田で売春婦として働かされていた」と通報した。
生活環境課によると、7人は「カンボジアで日本人に勧誘された」「ウエートレスの仕事で月3千ドル稼げるといわれた」「実際には飲食店で売春をさせられた」と話し、カンボジア外務省によると、給与も支払われていないという。
19日、県警が3人の自宅や店など関係先を捜索した際、タイ国籍の女性10人(21~34歳)を発見、うち不法滞在の8人を入管難民法違反で現行犯逮捕した。
一方、カンボジア人女性7人は組織犯罪などによる人身取引の被害者であるとし、同法違反(資格外活動)で逮捕はしていない。
◆「温泉の団体客を店に…」
ネオン輝く歓楽街で多数の外国人女性に売春が強要されていたのか。風俗店経営者ら3人が検挙された不法就労助長事件。カンボジア人女性7人が「売春を強要された」という現場のひとつ、渋川市伊香保の店舗名不詳の風俗店は伊香保温泉の中心街にある。近くで小売店を営む男性は「渡辺容疑者は1人で経営しており、団体客を店に連れて行っていたのではないか」。
一方、もう一つの沼田市の飲食店「GOLD」は市役所の近くにあり、近所で飲食店を営む男性は「(GOLDには)外国人の女性3人くらいが出入りしていた。あれはタイ人。店ができたのは2年くらい前だと思う」などと話した。