カンボジア女性が働かされていたとみられる風俗店の入居するビル=群馬県渋川市伊香保町で、2017年1月19日午後3時40分、杉直樹撮影
伊香保温泉などの風俗店でカンボジア人女性に売春させたとして、群馬県警は19日、同県渋川市伊香保町の風俗店経営、渡辺久雄容疑者(44)ら3人を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕したと発表した。カンボジア人女性は母国で「ウエートレスのような仕事で稼げる」などとうその勧誘を受けて来日しており、県警は女性らを人身取引の被害者と特定した。他にもタイ人らを働かせていたとみられ、売春防止法違反の疑いもあるとみて捜査を進める。【杉直樹】
他に逮捕されたのは、沼田市柳町、風俗店経営、チョンタパー・チュダーポン(44)=タイ国籍=と、沼田市西原新町、風俗店従業員、後藤知幸(32)の両容疑者。
逮捕容疑は昨年11月10日~12月2日、伊香保温泉や沼田市東倉内町にある風俗店で、就労資格のない20~36歳のカンボジア人女性7人を売春婦として働かせたとしている。県警によると、渡辺、後藤両容疑者は容疑をおおむね認めているが、チョンタパー容疑者は「雇用していない」と否認している。
昨年、カンボジア人女性らが在日カンボジア大使館にインターネットを通じ被害を通報し、発覚。女性らは大使館に保護された。母国で「月3000ドル(約35万円相当)稼げる」と説明されて来日したが、無給だったという。
県警は19日、風俗店など県内6カ所を家宅捜索。風俗店で勤務する21~34歳のタイ人女性従業員ら8人も出入国管理法違反(不法滞在)容疑で現行犯逮捕した。この女性たちも人身取引の被害者である可能性があり、県警は「被害が判明すれば釈放する」としている。