しかし、実利が最優先のトランプ米次期大統領の優先順位に「人権」はない。安倍首相は権力の空白期にある韓国より何歩も先にトランプ氏と首脳会談を行い、「契約書にサインし、残金も払った」という日本式の論理を注入しようとした。ビジネスマインドのトランプ氏がそれを受け入れ、日本を支持することになれば、取り返しがつかない「外交上の災難」だ。
再交渉が現実的に不可能ならば、韓日関係を正常化し、慰安婦問題は他の懸案と切り離し、長期課題として棚上げすることも可能だ。そして、いつになるかは分からないが日本に前向きな政権が成立した際、再び議題として取り上げることもできるだろう。しかし、平均90歳という慰安婦被害女性40人のうち何人がその結果を目にできるのか分からないという問題がある。
そうした不都合な将来予測をすると、結局は「だからなぜ合意などしたのか」という非難に回帰しやすい。それでも政界、特に政権奪取を夢見る大統領選の候補たちならば、「合意破棄とその後」に対する自信ある方策を国民に示すべきだ。