トランプ大統領就任 欧州各国の右派や極右政党が連携

トランプ大統領就任 欧州各国の右派や極右政党が連携
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アメリカでのトランプ新大統領の就任にあわせ、ヨーロッパ各国の右派や極右政党の関係者がドイツ西部で集会を開き、ヨーロッパでも政治の在り方を変え、ことし各国で予定されている選挙で躍進を目指そうと連携をアピールしました。
ドイツ西部のコブレンツでは21日、ヨーロッパ9か国から、既成の政治の在り方やEU=ヨーロッパ連合を批判する右派や極右政党の関係者や支持者、数百人が集まりました。

このうち、ことし大統領選挙を控えたフランスからは、極右政党「国民戦線」のルペン党首が、議会選挙が予定されているドイツからは右派政党「ドイツのための選択肢」のペトリ党首が、さらにオランダからは極右政党「自由党」のウィルダース党首が、そろって出席しました。

3人の党首は相次いでスピーチを行い、前日アメリカでトランプ新大統領が就任したことについて、「アメリカ国民がみずからの利益を守る政治を取り戻そうと決断した結果だ」などと歓迎しました。
そのうえでオランダの自由党のウィルダース党首は「きのうアメリカが生まれ変わった。次はヨーロッパだ」と述べ、このあと各国で行われる選挙での躍進に向けて、連携をアピールしました。

また、フランスの国民戦線のルペン党首は、ドイツのメルケル首相がシリアなどからの難民を積極的に受け入れてきたことについて、「難民や移民の受け入れは市民を危険にさらすものだ」と厳しく批判し、会場から大きな拍手を受けていました。

集会に反対する抗議デモ

コブレンツでは労働組合などの呼びかけで、右派や極右政党の集会に抗議するデモも行われ、警察側の発表でおよそ5000人が参加しました。

参加者たちは、「ファシズムを繰り返すな」とか「ナショナリズムは未来をもたらさない」などと書かれた旗を持って、町の中心部を1キロ余りにわたって行進しました。

参加者はさらに、右派勢力の集会が開かれていた会場の近くの広場に立ち寄り、「ヨーロッパの歌」とされているベートーベンの「歓喜の歌」を歌い、ヨーロッパの団結を訴えました。

また、ドイツの社会民主党の閣僚や緑の党の党首など、さまざまな政党の政治家が相次いで演説し、極右政党などが主張している自国優先主義に反対しようと呼びかけました。

デモに参加した人たちからは極右政党の活動について、「ナチスのような動きがヨーロッパで出始めている」と警戒感を示す声や「私たちが大切にしてきた価値を守るために団結することが必要です」といった声が聞かれました。