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■検索サイト開設、ウルシュラ・スティチェックさん

 広島と長崎の原爆について書かれた世界各地の文献を検索できるウェブサイトを昨年7月、広島の元大学教授らと立ち上げた。「原爆文献の価値と被爆の実相を母語で、深く理解してほしい」との思いからだ。

 サイト「多言語で読む広島・長崎文献」。2年半かけて約70言語2500冊の情報を集め、サイトへの収録を進めている。

 ポーランドのワルシャワ大学に在学していた1983年、日本文学を専門とするゼミの指導教官が、ポーランド語に翻訳した本を薦めてくれた。原民喜の代表作「夏の花」。初めて触れた被爆の姿だった。

 「まるで日本画のような文章」。市民の命と生活が一瞬で奪われた惨状が、微細に描かれていながら、表現に無駄も誇張もない。所々にアクセントがあり、生々しい情景が映像として頭に流れた。詩人の目で直接被爆をとらえ、文学として表現されている。「体にとけ込む感覚にさせる」文章にひかれた。

 1990年8月6日、初めて広…

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