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JR北海道 ローカル線半減も? “道民の足”どうなるのか
毎年170億円の赤字
JR北海道の平成29年3月期決算は単体で過去最悪となる235億円の経常損失が見込まれている。「毎年170億円前後の赤字が今後3年ほど見込まれ、このままの状況が続くと、会社が立ちゆかなくなる」(同社広報)ことから、同社発足(昭和62年)以来初の抜本的な事業見直しが必要になった。
同社が「単独では維持困難」とする10路線13区間は、全路線の約半分に当たる計約1200キロに及ぶ。輸送密度が「200人未満」の3区間と「200人以上2000人未満」の8区間、既に自治体などからなる協議会と話し合いを進めている2区間がある。今後はバスへの転換や運賃の値上げ、鉄道存続のための費用負担などを沿線自治体と協議する。
同社の島田修社長は11月18日の記者会見で「国鉄改革から30年が経過し、人口減少や高速道路網の整備といった環境の変化に、真正面から向き合う必要がある」と強調した。石井啓一国土交通相は記者会見で「国も道庁と連携しながら協議に参画し、持続可能な交通体系の構築のために何ができるか検討していきたい」と述べた。