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【よみがえれ JR北海道(下)】
赤字最悪…「バケツに穴が開いたままでいいのか」 スピード求められる「経営改革」
函館と青森には今も埠頭(ふとう)が残っている。かつては約40両の貨車を載せるために6700トンクラスの船が必要だった。現在はコンテナを積めればよい。松田氏の試算では1200トン程度の船2隻で十分だという。
■夢を与える経営に
加速する人口減少、高速道路との競合…。JR北海道を取り巻く状況は厳しさを増すばかりだ。北海道教育大の武田泉准教授は「本来残せたはずの路線が廃止に追い込まれてしまったら取り返しがつかない」と警鐘を鳴らす。鉄路を核に据えた未来図は描けるのか。そうした問いに対し、松田氏は声を大にする。
「JR東日本に救済してもらうような話もあるが、北海道の鉄道はあくまでJR北海道が担うべきだ。JR北海道は国が株主とはいえ、民間会社として国鉄時代よりも経営は自由だ。北海道らしい独自のアイデアを生み出し、北海道に夢を与える経営をやってほしい」
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■青函連絡船 青森駅~函館駅間を結んでいた鉄道連絡船。明治41年に開設され、80年にわたり北海道-本州間の貨物や旅客を運ぶ大動脈の役割を果たした。昭和63年3月の青函トンネル開業に合わせて終航した。
(この企画は札幌支局・杉浦美香、経済部・今堀守通が担当しました)