学生時代、剣道をやってました。
社会人になってから、人に勧められるままに空手をやってみたこともありました。
どういうわけか、私は昔から「道」とつくものに憧れたり、「稽古」と呼ばれるものに魅力を感じることが多かったみたいです。
「道」がつくものには、柔道や剣道、合気道、弓道、古武道といったスポーツ以外にも、華道、茶道、芸道なんてのもありますよね。
これらで大事とされている「間合い」と「残心」について、私が考えていることを書いてみます。
間合いとは
「間(ま)」という言葉がありますよね。これは、時間的な距離のことを意味します。
そして「間合い」とは、自分と相手との空間的な距離のことです。
相手との距離を上手に取れる人は、「間に合わせる」ことができる人ですよね。
相手との距離を上手に取れない人は、「間抜け」な結果に終わってしまうことがありそうです。
この間合いですが、武道においては自分の命に関わってくる大切なものです。
芸道でも、演技派俳優・女優と呼ばれる人の中には、間の取り方がうまくて、観終わった後も印象に残り続ける演技をする方がいます。
「間合いを取るのがうまい人」は、どの分野でも一流になれる人なのかもしれませんね。
コミュニケーションにおける「間合い」
話をしている最中なのに、自分の話をかぶせるようにして、会話を挟んでくる人っていますよね。
これって、コミュニケーションにおける「間合い」をうまく取れていないんだと思います。
会話の際は、相手の話を聞き終わってから、適当な「間」を取る必要があります。この「間」があるからこそ、相手は「自分の話をちゃんと聞いてくれた」と感じてくれるのです。
人が話し終わらないうちに話し始めてしまったり、話し終わるのを待ち構えていたかのように自分のことばかりを話し始めてしまうと、相手は「話をしても、何も聞いてもらえない」と感じてしまい、話す気をなくしてしまうかもしれません。
会話においては、相手が話し終えた後にひと呼吸置くのが良いでしょう。この「間」の取り方ができるようになると、大抵の人と今まで以上に良好なコミュニケーションが築けるようになります。
残心とは
残心(ざんしん)とは、武道や芸道で使われることが多い言葉です。
残身や残芯と書くこともあります。
心が途切れることなく、意識し続けることという意味の言葉です。
例えば武道では、1つの技を終えた後、力を抜いてはいても意識は相手や技に対して払い続けている状態のことです。
また、芸道でも、1つの動作が終わったからといって、すぐに他に意識を向けるのは良いとはされていません。その場に余韻を残せるのが良いとされています。
残心は、まさに日本の美意識を言葉に表したものですね。
コミュニケーションにおける「残心」
その日やることがたくさんあるからと、誰かと会話しているときも、次の予定が気になって心ここにあらずなんてことになっていませんか?
そんな姿勢で会話してしまうと、後でその人の顔を思い出したり、会話の内容を思い出すことも少ないかもしれませんね。
会話中は、相手に意識を向けるようにしましょう。もしも別なことに気を取られていたとしたら、相手にもそれが伝わってしまうものです。
相手を意識しながら会話して、「もう少しあなたと話をしていたい」と、お互い思えるタイミングで会話を切り上げられるのが「残心」のコミュニケーションだと思います。
人には「間」が必要なんだと思う
家族関係、友人関係、恋愛関係、仕事関係など、生きていく上で様々な人間関係がありますよね。
どんな人間関係でも、間合いって大事ですね。
家族や夫婦の間で間合いが近すぎると、喧嘩に発展する場合だってあります。逆に遠すぎると、離婚に発展しかねませんし。
そう考えると、人とのコミュニケーションには「間」「間合い」が必要なんでしょうね。
人の間と書いて人間。
人には「間」が必要だってことなんだと思います。