01月17日 19時03分
58人が死亡、5人が行方不明となった3年前の御嶽山の噴火災害で、亡くなった5人の遺族が噴火前に噴火警戒レベルを引き上げなかったほか、山頂付近にある地震計の故障を放置していたとして、国と県に対し、総額1億5000万円の損害賠償を求める訴えを起こすことになりました。
3年前、平成26年の9月に起きた御嶽山の噴火では山頂付近を中心に58人が死亡、5人が今も行方不明になっています。
この噴火災害で亡くなった5人の遺族が、国と長野県に対して、計1億5000万円の損害賠償を求める訴えを、1月25日に長野地方裁判所松本支部に起こすことがわかりました。
弁護団によりますと、訴えでは、気象庁などは噴火前の2日間にわたって、1日50回以上の火山性地震を観測していたにもかかわらず、山頂の火口周辺1キロを立ち入り規制にする「噴火警戒レベル2」に引き上げるのを怠ったということです。
また、長野県は山頂周辺などに設置していた3つの地震計のうち、2つが故障していたのを放置し、精度の高い観測ができなかったとしています。
弁護団によりますと、御嶽山の噴火災害で遺族が訴えを起こすのは初めだということです。
弁護団の事務局長を務める山下潤弁護士は「噴火から2年以上たっても、国や県からの説明は不十分なままで、裁判を通じて客観的に検証することで、将来の噴火災害への教訓につなげたい」と話しています。
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