【ワシントン=兼松雄一郎、鳳山太成】トランプ米大統領の就任式が行われた20日、首都ワシントンでは反対派の一部が暴徒化し、飲食店の窓ガラスなどを破壊して、閉店に追い込んだ。就任式後のパレードでも、沿道に集まった反対派の集団が騒音を出して妨害し、トランプ支持者と口論になった。
黒装束にマスクの「社会主義者」を標榜するグループが店舗や高級車の窓ガラスを割り、バス停も破壊。警官隊は放水や催涙銃を使って鎮圧し、米CNNによると220人近い逮捕者が出た。
ただ暴徒化したのはごく一部で、大多数は平和的に行進した。横を歩く多くのトランプ支持者に攻撃を仕掛ける場面はほとんどみられなかった。
一方、トランプ氏は20日昼の就任後、家族とともに祝賀行事をこなした。目玉である連邦議会議事堂からホワイトハウスまでのパレードでは午後3時半すぎに車で議事堂を出発。途中で車から降り、メラニア夫人、息子のバロン君と並び3分ほど歩いた。到着後は様々な行進隊を観覧した。
20日のワシントン中心部は混雑したものの、身動きが取れないほどではなく聴衆の移動もスムーズだった。人種差別的な発言で物議を醸してきた影響か、支持者は白人の姿が目立った。地下鉄の利用者数は午前11時時点で、オバマ前大統領が就任式に臨んだ2009年の4割弱の水準だった。