大手広告代理店の博報堂が2016年9月30日(金)~10月5日(水) にインターネット経由で3,097人に対して「お金に関する生活者意識調査」を行い、その結果を2017年1月18日付で発表しました。
博報堂金融マーケティングプロジェクトは、FinTechによる金融分野でのテクノロジー進化が、生活者に対して、どのような意識変化、行動変化をもたらすのかを分析するために、「決済」と「スマートフォン」を軸とした「お金」に関する生活者意識調査を実施しました。
51.4%の支払いが現金払い:
今回のこの「お金に関する生活者意識調査」で、私が一番興味を持ったのは下記の統計です。
Q.下記について 1 ヶ月あたりの使用金額を、合計を 100%とした場合の各割合をお知らせください。
※利用されていないものについては「0」とご記入ください。
ちょっと小さいのでスマートフォンからは見難いかもしれませんが、全体の51.4%の決済が未だに現金払いという結果に。
- 現金:51.4%
- デビットカード:1.6%
- クレジットカード:21.6%
- 電子マネーICカード:9.1%
- インターネットバンキング:5.3%
- カードでのインターネット決済:8.5%
- その他:2.6%
特に10代、20代の現金決済比率は高く、男性よりも女性のほうが現金払いを好んで使っている…という状況も浮き彫りになりました。個人的には「女性の方がカード決済が好き(依存気味)」という印象を持っていただけに、この結果はちょっと意外でしたね。
調査結果によると、1ヶ月あたりの使用金額の決済手段別比率は、依然「現金」決済が51.4%と半数以上を占めるものの、「クレジットカード」21.6%、「ICカード」9.1%、「カードでのインターネット決済」8.5%、「デビットカード」1.6%で、「カード決済」の合計も40.8%と4割程度を占めることがわかりました。
現金払いは年代があがるほど減る傾向:
また、現金払いの比率は年代があがるほど減少傾向になり、反対にクレジットカード決済比率が高まる結果にもなっています。
- 若い世代:現金払いが多く、カード払いや電子マネー払いは少ない
- 50代~60代:現金払いが少なく、カード払いは電子マネー払いが多い
これ、なんとなく若い世代ほど電子マネーやクレジットカードを活用し、年代があがるほどに昔ながらの方が増えて現金払い比率が高いのかな…なんて固定観念を持っている方は私を含めて未だに多いとは思いますが、現実はもはや、そんな感じではないのかもしれませんね*1。
ネット利用者へのアンケート結果:
ちなみに今回の統計結果において、クレジットカード決済、デビットカード決済、ICカード決済、カードでのインターネット決済の4つを合わせるとだいたい40.8%というシェアになります。
これを見ると、『へぇ~、そろそろ現金払いよりも電子決済のほうが増えそうだな』と思えてしまうものなんですが、気をつけたいのは今回の統計が「インターネット経由」であるという点。
つまり普段からインターネットやスマートフォンといったものに慣れている方へのアンケート結果なので、統計結果がややデジタル寄りになっている可能性が高いことは忘れてはいけません。
- ネット経由で統計を取る:デジタルに強い人から回答を得ることになる
そのため、たぶん電話アンケート等で統計を取れば、まだまだ現金払いは全体の65%くらいありそうだなとも思いますね。まだまだ日本のクレジットカード普及は道半ば…といったところです。
以上、男性より女性のほうが現金払いを好み、年代があがるほど現金決済が減る傾向に!博報堂が「お金に関する生活者意識調査」の結果発表…という話題でした。
参考リンク:
「約6割の方がクレジットカードを積極的に使いたくないと思っている」という統計結果については下記記事を参考に。やはりクレジットカードや電子マネーに対する不信感は根強いなという感じがします。
*1:後述するように、インターネット経由での統計結果なので、ネットに強い50代、60代=クレジットカード払いや電子マネー好きとい傾向もあるのかもしれません。