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死骸触らず連絡を 滋賀初の鳥インフル確定

琵琶湖の湖面に浮かぶオオバン。県内で冬季に見られる水鳥の半数近くを占める=18日、大津市打出浜で

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 草津市内で死骸で見つかった野鳥のオオバンが二十日、毒性の強いH5N6亜型の高病原性鳥インフルエンザと確定した。県内で鳥インフルエンザが確定したのは初めて。県の発表や国の情報を基に、注意点などをQ&Aで紹介する。

 −鳥インフルエンザはどんな病気?

 鳥に感染するA型インフルエンザウイルスをまとめて「鳥インフルエンザウイルス」と呼ぶ。このうち「高病原性鳥インフルエンザ」はニワトリなどの家禽(かきん)が感染したら、その多くが死んでしまうよ。

 −人にはうつらないのかな?

 人間への感染は国内で確認されていない。海外でも、たくさんの鳥が感染した農場で作業していた人が感染したぐらいだそうだ。感染した鳥と濃密な接触をしなければまず感染の心配はない。鶏肉や鶏卵を食べて感染することもない。

 −今回はどこで見つかったの?

 草津市内の民家の庭だ。県は「湖岸から五キロの住宅街」とまで公表しているが、詳細は発表していない。「気になった人が近くを出入りして、ウイルスを媒介しないように」と説明しているんだ。

 −県の対応は?

 遺伝子検査で陽性反応が出た十日から、発見現場から十キロ圏内で鳥が大量に死んでいるなどの感染が疑われる事例がないか調べている。十キロ圏は「野鳥監視重点区域」と言って、草津市の全域と野洲、守山、大津、栗東、湖南市の一部が含まれている。今のところ異常は見つかってないそうだ。県は農家に消毒剤を配っている。

 −県内ではどれぐらいの鳥が飼育されているの?

 県のまとめでは、百羽以上の農家が五十二カ所の計四十七万六千羽、百羽以下の小規模施設が二百四十二カ所の計三千百羽、学校などが二十一校・園の計五十四羽だよ。発見現場の三キロ圏内には大規模農場はないけれど、農場で感染すると殺処分しなければいけないから、農家は感染対策に慎重を期している。

 −県民が気を付けることは?

 死んだ野鳥を見つけたら触らず、市町や近くの県森林整備事務所に連絡を。回収や消毒をしてくれる。鳥のふんなどに触れた時の手洗い、うがいの徹底も大事だ。それでも、県内で今シーズン見つかった野鳥の死骸は八十九羽で、感染が確定したのは一羽だけ。過度に心配する必要はないんだ。

◆水鳥観察会を中止

 県内で初めて高病原性鳥インフルエンザの感染が確定したことを受け、県や琵琶湖沿岸市でつくる「琵琶湖ラムサール条約連絡協議会」は二十日、県内で予定していた水鳥観察会の中止を決めた。

 大津、東近江、近江八幡、草津、守山の五市で一月下旬〜二月上旬に開かれる予定だった。野鳥のふんなどを人が踏んでウイルスを媒介し、感染の広がりが懸念されるため。

 草津市は同日、危機管理対策本部会議(本部長・善利健次副市長)を開催。飼育数が百羽未満の小規模農家二十六戸に、二十三日から順次、消毒薬を配布することを決めた。

 (角雄記、鈴木啓紀)

 

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