◉楽曲のアレンジ手法♫
楽曲については現場入りして関係者で意見を出し合いながら、三味線の東音塚原勝利さん、小鼓の藤舎呂英さんらリーダー格を中心に1時間半ほどの打ち合わせでアレンジを仕上げました。能楽由来の登場手法〈出端〉で始まり、長唄『元禄風花見踊(1878年、三世杵屋正治郎作曲)』や『老松(1820年、四代目杵屋六三郎作曲)』などの代表的なフレーズを取り入れ、『二人椀久』などにある「踊り地」という三味線、大小鼓の見せ場などを作ってまとめました。くろごちゃんもその打ち合わせの中で動きを作っていました。唄については長唄の発声法、言葉運びに近くなるよう、杵屋佐喜さんが考えてらっしゃいましたよ。
◉収録方法♫
マイキングに関する鋭い疑問も見受けられました。まず一度マイクを立てて音の収録をその場で行い、カメラセッティングを変えて何度か収録音に当て振りをしています。僕はアドリブ的なフレーズだったので、少し音と指がズレてますね。しかし他の皆様の再現性の高い事…そんな神業もご堪能下さい。
◉「国立劇場が本気を出した?」♫
というような紹介文が個人的に気になっていますが笑、普段やっている古典の舞台への本気度や難しさ、面白さとは…もちろん比べられません…。ただし、そんな面白さがとりわけ若い世代へ伝わりにくい、との認識は伝統芸能従事者にも少なからずあり、この#PNSPのような活動も必要と感じています。反響がその成果を物語っていますね。
そんな中での「超真顔なのが面白い」という意見、このノリは、舞台に関わる皆さんはとても得意なんですよ(笑)。不真面目は超真顔、これは鉄則ですね。
◉笛の人ヅラっぽい?♫
最後に、僕のヅラ疑惑という意見も見たのですが笑、これはメガネグセと軽めのツーブロックのせいで、角度によってそう見えてしまったみたいです。安心して下さい。生えてます笑。
〈追記〉徐々に関係者各位、先輩方からも反響の大きさに関する記事が上がって来ました。一様に皆さん驚いているようです。そして、これを機に伝統芸能の懐の深さ、誇るべき日本固有の芸術文化にも目を向けてもらえれば、という願いが共通しています。私も竜馬四重奏など色々な活動をさせていただいている身ですが、多くの方にこの願いが伝わればと思っています。お子様方にも是非観ていただきたいです。何卒よろしくお願いいたします。