ISがパルミラ遺跡を再び破壊か、ユネスコは「戦争犯罪」と非難
2017年01月20日 22:11 発信地:ダマスカス/シリア
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【1月20日 AFP】シリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)を昨年12月に再び制圧したイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、さらに2つの貴重な遺跡を破壊していたことが分かった。シリアの考古学当局者が20日、明らかにした。
シリア文化財博物館総局のマムーン・アブドルカリム(Maamoun Abdulkarim)総局長はAFPの取材に対し、テトラパイロンと呼ばれる16本の柱で構成された建築物を「10日前にダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)が破壊したと、地元当局が伝えてきた」と述べた。また「米ボストン大学(Boston University)の同僚から、ローマ(Roma)時代の円形競技場のファサードが破壊されている様子を捉えた衛星写真を昨日(19日)受け取った」とも話している。
ロシアの支援を受けたシリア政府軍が奪還する以前、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録された遺跡があるパルミラで、ISは貴重な神殿や塔墓などの破壊を繰り返していた。
この事態を受け、ユネスコは同日、ISの破壊行為を「戦争犯罪」と非難する声明を発表。イリナ・ボコバ(Irina Bokova)事務局長は「今回の破壊は新たな戦争犯罪であり、シリアの人々および人類全体にとって途方もない損失だ」と述べた。(c)AFP