「サバイバーとして生きる」

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男に涙を見せるのは(メイクが取れるから)イヤだし、


女の前で泣くのも(気使わせるから)イヤだけど、


なぜか母親の前では、時々泣けるんだよなーショックなうさぎショックなうさぎショックなうさぎ



先日は、記憶の泥沼に足を取られて


非常に、苦しかったです無気力ピスケ


 

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原因は分かっているんだけど、まだそれを自分で認められない。



ある、年の離れた知人(仕事関係でもなく、ネット系は全然しない人)


と1年ぶりに会ったとき、



「かやちゃんは、色々あったことからも立ち直って、


元気にしているのに、どこか自尊感情が低い気がする。


もっと自信持っていいのに」




と言われたんだよね。


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「どうして自尊感情が低いの?」


って言われて、


これまで蓋をしていたことをその女性に打ち明けるべきか迷ったんですが、




「DVを受けていたと思うからです」



それ以上は、話せなかった。


話したくなかったのかもしれない。



他人の前では、その話になっても絶対に泣かないことにしている。


離婚について聞かれたら、


いやぁ私、失敗しちゃいましたー! みたいなノリで話す。泣くなんてアホらしい。



「もう乗り越えてるし、離婚してほんま良かったっす!」


離婚は私にとってプラスの出来事だ。



このポジティブさがあれば、DVの傷も時間とともに消えていくと思っていた。


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結論からいうと、



■傷はまったく癒えないどころか


■どんどん見えないところにもぐり、


■時々、不気味な様相を呈して私の意識のなかに顔を出すようになった。




思い出すだけで、動悸がして涙が出て止まらなくなる。



何も抵抗できない悔しさと、どうされるか解らない恐怖がないまぜになって、


言動がおかしくなり、「はたから見たらヤバイ人」みたいな状態になる。



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自分がそうなるのが分かるから、たいていは事前に



動揺を抑えるための作り笑いとストーリー


を作っておいて、



「いや、ありきたりな離婚ですよ〜」



って、話を終わらせるようにしてきた。相手も突然泣かれたら困るだろうし。…あんぐりうさぎカナヘイびっくり



その度に私は思い知らされる。




私が弱かったせいでDVを受けて、私が弱かったせいで、DVを証明できなかった。



そのせいで今、こんな道化を演じなければならないのだ


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実はというほどのモンでもないけれど、離婚のとき、「有能な」弁護士さんが



「早く離婚するために、DVがあったとは主張しないでおきましょう、波風立てない方がいいですよ」



と言ったとき、わたしは最後まで抵抗した。何を言われようと、ここだけは譲れないと思ったからだ。



「じゃあ、私が受けたのは何だったんですか。


何もなかったことになるのでしょうか。



私は、DVだと主張してお金が欲しいんじゃない。


ただ、相手が一言でも謝ってくれたらそれでいいんです。本質はお金ではないんです」



その有能すぎる弁護士に、私の思いなど伝わるはずもなかった



当たり前だ。泣きながら訴える人間に冷静な判断を求めるのは難しい。




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弁護士からは、



「かやさんは疲れているのでしょう。ところでDVへの考えは分かりましたが、


その間、性交渉はあったんですか?



と話題を変えられ、何と答えたか覚えていないけれど、


とにかくもう時間なのでありがとうございますとだけ言って、


事務所をでて、2度とその近辺へは行けなくなった。




弁護士は私の親に、こう言ったそうだ。




「相手が認めないと言っているDVを、こちらが主張して訴訟になれば、もっと長く相手と関わることになる。


法廷でDVの記憶をどんどん掘り起こすことになる。 


そうすると、かやさんはもっと傷つきますよ。それでいいのですか



ここまで説得されると、弁護士や家族の言うことを聞くしかなかった。



家族も「損して得取れ」だよって、


早く離婚するためには、DV経験を主張するのは得策じゃないと言った。



「それより、一刻も早く新しい人生を踏み出した方が、かやにとってプラスになる」



周りがそうアドバイスするなら、DV経験は忘れた方が良いのだろう。



そうかな……なんだか違う気がする



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直感的にそう思ったが、どうすることもできない。システムが私の感情を殺した。



私はただ暴力についてひとこと、謝って欲しかっただけなのに、



弁護士はおろか家族まで、私が受けたDVをなかったことにするのか



と、しこりが残った。



もちろん皆そんなつもりはないのだろうが、



誰も公に認めない行為は、なかったのと同じではないか



万引きしたAさんが「私は盗ってません」と主張する。それを見た人はBさん1人だけ。


Aさんは誰から見ても万引きするような外見ではないから、


皆は目撃者のBを「うそつき!お前は万引きを見たと騒いでいるだけだろう」と責める。


Bは確かに、見たのに。誰もそれを公的に認めない。万引きの比喩はあまりに稚拙だけど、



私のDV経験は、そのとき押し黙ることで


私の中でも、ないものにされたのだ。



今もときどき思う。



自分自身、あれはもう乗り越えたと考えてきたし、


そうして生きる方が良いと思ってきた。



いろんな利害が一致してしまった。



まだ私が希望を持っていたころ、ある女性にDV経験を打ち明けようとしたことがある。



その女性は、



「かやちゃん、DVは受ける方にも原因があるんだよ。


DVなんて言い訳でしかない。


ぜんぶ、その男を選んだあなたが悪いんだよ。人のせいにするのはやめなよ



と言った。その通りだな、私って最低のクズだな終わってる、と思った。



そんな腐った論理を受け入れてしまう程度には、私の自尊感情は低いのだろう。



誰にも伝わらないのだと絶望した。



ずっと絶望していると仕事にならないから、「もう1人の自分」にすべての絶望を背負わせることにした。




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未だに私の中では、DVを受けたのは私ではないような感覚がある。



自分があんなことをされていたとは信じがたいからだ。嘘であればいい。


パートナーがいる今が幸せなので、余計にそう思う。



記憶を乖離させよう。そうしないと生きられないから。



でも時々、大きな声を出す人(電話口でも、女性でも)にあうと、反射的に思考が停止し、震えと涙が止まらなくなる。



ある友人が私を家に泊めてくれるのに、方向音痴なわたしを、受話器越しに彼女のアパートまで案内してくれたことがあった。



「違うってば! だからー!」


と、彼女の声が上ずってから、私は動揺して謝り続けた。方向音痴でごめんなさい。全て私のせいだから、私の存在が彼女を苛立たせてしまって、本当に取り返しのつかないことをしてしまったと感じ、泣きながら謝罪した。



彼女は別に私を責めたわけではないらしいが、私はパブロフの犬と化しているので、条件反射で怯えてしまうのかもしれなかった。今も彼女の名前を聞くと恐ろしい。


そんなのアホらしいということも、自覚はしている。



が、例えばそんな脆弱さを抱えて生きているのが、乖離した方の私なのだ。



今も立ち直れない方の私なのだ。


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きのう、



「サバイバー」として生きることを選んで、前向きになれたという女性の文章を読んだ。






やっと腑に落ちた気がする。



もしかしたら、自分もサバイバーと言ってよいのではないか。




私にそんな権利があるとは、まだ到底思えないし、それほどの価値が私などにあるとも思えない。



だいたい、暴力を受けたことを誰も(身を以ては)知らないし、認められてさえいないではないか。



でも、彼女の文章を何度も読んでみて、



サバイバーとして生きることについて、きちんと調べてみようと思った。



医師にもちゃんと伝えれば良かったかな。もう遅いか。




自分の身に起こる、おかしな情動を減らしたい。



過去を乖離させずに生き延びたい。



今日から少しずつカギできるだろうか。




薄日が差した気はするけれど、自信だけが、ついてこない。



無力で無能で、生きる価値がない(他人からそう言われればすぐに納得してしまう)


そんな私が前に進むには、もう少し時間がかかると思う。


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長い文章を書くとすぐ、電池が減る。相変わらず大活躍のモバイルバッテリー……


もうすぐよがあける、と思って窓の外を見たら、まだまだ真っ暗なのだ。
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