潘基文氏は「他人をけなすことに喜びを感じるのは大韓民国の国民がすることではない」とも言った。倫理的には正しい言葉だ。しかし、他人を侮辱することを楽しむのは「顔の見えない大衆」の属性だ。これを認めて「餌食」にならないよう辛抱するのが、票を集めなければならない大衆政治家だ。
「国連事務総長(secretary general)は秘書(secretary)のようにやって来て、将軍(general)のように去っていく」という言葉がある。就任直後は国連で拒否権を持つ常任理事国の顔色をうかがうが、任期末期には所信通りに行動するという意味だ。この1週間、潘基文氏は顔色をうかがう「秘書」のようだった。そんな同氏が側近に愚痴った言葉が報道され、「そういう面もあるんだ」と受け止めた人もいるだろう。秘書のように帰国したとしても、将軍のように変われない限り、「政治家・潘基文」の将来は明るくなさそうだ。