豪メルボルンで乗用車が暴走、3人死亡 付近に全豪オープン会場
- 2017年01月20日
オーストラリア南部メルボルンの中心部で20日午後2時(日本時間正午)前、乗用車が歩行者を次々とはね、子どもを含む3人が死亡、少なくとも27人が負傷した。警察はテロとの関連を否定している。
警察車両が突っ込み乗用車を止めた後、警官が運転していた男性の腕を銃で撃ち、逮捕した。
警察はテロ攻撃ではないとしたが、メルボルン市内で同日起きた刃物による事件と関連があるとみている。
現場は、買い物客で混雑するバーク・ストリート。地元テレビが放送した映像には、えび茶色の車が、近くの鉄道駅のフリンダース・ストリートの前で円を描く形で走っている様子が写っている。
ある目撃者はBBCに対し、車が歩道に乗り上げ、歩行者が車を避けようとしていたと話した。「事務所やコンビニエンス店の前で数人が車に突き飛ばされ、体が空中に浮かんでいた。車は走行を続けた」。
「その先で、また数人がひかれた。とっさには何が起きているのか分からなかった。叫び声が上がって、すごい音がして、大きな土煙が上がった。建物が崩れ始めているのかと思った」
警察によると、運転していた男性は同日早朝にメルボルン郊外で男性の兄弟が刃物で襲われた事件に関係しているという。
男性は女性を人質にして車に乗り、メルボルン中心に到着する前に女性を開放したという。
警察は、男性が長年の家庭内暴力や薬物使用、精神病の問題を抱えていたことを知っていたという。
乗用車の暴走で死亡した3人の身元は明らかになっていないが、警察は、30代の男性と女性の2人と幼い子ども1人だと説明した。
地元ビクトリア州のダニエル・アンドリューズ首相は、「悪質な犯罪行為」への救急隊による対応は「立派」だったと述べた。
メルボルンでは現在、テニスの全豪オープンが開かれており、会場は事件現場から約2キロの距離にある。警察は、大会に影響はないとしている。