「普通」の女性は夫婦関係や仕事、子育てはもちろん、家事も格好良くこなすことが当たり前になっている。しかし、上辺はスーパーウーマンに見えても、ほかに選択肢がなくて無理をしているフランス女性も多い気がする。
私の場合は、自分の母親がまさにそのタイプ。3人の子どもを育て、料理と家事をこなし(今は男女ほぼ平等に分担するようになったが、昔はフランスでは、家事は女性がするものと思われていた)、そのうえにフルタイムの仕事を持ち、それらを全部同時に頑張っていた。母は歯を食いしばって頑張る、典型的なフランスのスーパーウーマンだと今でも感じる。
■フランス人にとって「落ち着く」とは
話を結婚に戻すが、フランスでは「結婚しよう」とまで言わなくても、日本で言う結婚と同じ意味で、遊びの時期を経て「まじめな」カップル関係を求めるという人生の段階が存在する。それをフランスでは「落ち着く」とよく言う。若い彼女をコロコロ変え続ける30代後半の男友達がいるけど、彼には「そろそろ落ち着けば?」とか「いい相手を見つけて、落ち着いて家庭を作らないの?」と周りからアドバイスが飛んで来る。結局、「落ち着く」ことは日本の「結婚する」と同じ意味の決意なのではないかと思う。
フランスも日本も結婚にまつわる悩みは尽きないが、日本と比べて、フランスは結婚という制度を一度否定し、そしてカオスを経験し、再構築した歴史を持つだけあって、結婚に対してリアリストのような気がする。
そこでぜひ最後に、日本で結婚を悩んでいるみなさんに、次のことを質問してみたい。結婚をすることで、何をいちばん望んでいますか? 社会的に認められたいのですか? 親の期待に応えたいのですか? 独身生活は寂しいから、長く続く恋愛関係を求めているのですか? 家庭を作りたいのですか? この答えが出せたら、何か見えてくるのではないだろうか。
レティシヤ・ブセイユ
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