「神頼み」という言葉があるように、「商売繁盛」「結婚」「合格」などの願いを聞いてくれる神様、そして神社――。お正月は、家族や大切な人と初詣に出かけた人も多いことでしょう。
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ところで、神社へのお参りには、知っているようで知らない作法がたくさんあります。鳥居~参道~社殿と、普段は何気なく進んでいく経路にも、実はさまざまなルールが存在しているのです。
オトナンサー編集部では、こうした神社における作法とマナーについて、和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。
齊木さんによると、神社といってもその姿はさまざま。山や岩、滝などの自然崇拝から、神話の神々を祭る神社、戦国武将を崇める神社まであり、それぞれが独自の文化を形成しています。ただし、どの神社も人々の願いを受け止める場所であることは昔も今も不変。「ご利益がしっかりと得られるように正しい作法を心得てお参りしましょう」。
神社における参拝は「正式参拝」と「略式参拝」の2種類です。正式参拝は七五三などの通過儀礼において社殿(神の居場所)に上がり、神職(神主)の神事を受けながら参拝すること。神様や神主様に敬意を払い、礼服やスーツなどの正装で参拝します。
一方の略式参拝は、初詣や願掛けといった日々のお参りのことを指します。略式参拝の場合は、特に服装の制限はありませんが、あまりにラフな格好や露出の多い服装は神様に対して失礼になるため避けましょう。
続いて参拝時の作法を順番に説明します。
【鳥居は一礼してくぐる】
鳥居は神社の入り口・参道に立って神域を示すもの。必ず一礼してからくぐりましょう。また身なりを整え、帽子を着用している場合は取って進みます。
【参道は端を歩く】
参道の中央は神の通り道とされています。神様に対して失礼のないよう端を歩きましょう。
【手水舎(ちょうずや)で手と口を清める】
水は昔から、穢(けが)れをはらうものとされています。参拝に向かう前に手水舎の水で身の穢れをはらいます。手水舎における作法は以下の通り。
1.柄杓(ひしゃく)を右手に持って水をくみ、左手を洗う
2.柄杓を左手に持ち替えて右手を洗う
3.もう一度柄杓を右手に持ち、左手に水を受けて口をすすぐ
4.左手を洗う
5.柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い、元の位置に戻す(柄杓に直接口をつけたり、水を飲んだりしないこと)
【礼拝は二礼二拍手一礼が基本】
社殿に着いたら次の作法に従って参拝しましょう。
1.神前でも真ん中に立つことは避け、最初に軽く一礼する
2.静かにさい銭を納める(投げ入れるのは神様への失礼になるためタブー)
3.鈴を鳴らす(邪気を払う意味もあるためきちんと鳴らす)
4.深いお辞儀で二礼、拍手の音によって邪気を払うと共に神を招くように二拍手、きちんと手を合わせて祈る
5.最後に深く一礼し神殿を後にする。お祈りする際はまず自分の名前と住所をお伝えしてから神様への感謝の気持ちを述べ、願い事をお伝えする
【去り際にあいさつする】
参拝後、参道を戻る際も端を歩きます。鳥居をくぐったら鳥居に向かい直して一礼するようにします。
ただし、礼拝方法は出雲大社の「二拝四拍手一拝」など神社によって異なるため注意が必要とのこと。それぞれに多様な伝統と歴史を持っているのも神社の魅力です。
齊木さんは「参詣者である私たち一人一人も『神社』という文化の一部。それを意識しつつ、神様に失礼のない参拝を心がけたいものです」と話しています。
オトナンサー編集部
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