17年は「10倍株」の当たり年? 大化け株はこう探す
日経マネー
今は10倍株を探す絶好機──。そう語るのは、複眼経済観測所の渡部清二所長。過去20年間、『会社四季報』の全銘柄を読破し続けている生粋の「株オタク」でもある。渡部さんは「2016年の相場環境は、ファーストリテイリングやヤフーをはじめ10倍株が多数生まれた1998年と非常によく似ている」と指摘する。
例えば、98年は長期金利が史上最低を更新し、戦後初めて消費者物価がマイナスに転じた。これは16年のマイナス金利導入やデフレ逆戻りと符合する。また、企業業績が減収減益予想で四半期決算ごとに見通しが悪化する点や、相場全体(日経平均株価)は弱いが中小型株は強い展開も同じだ。トランプ次期大統領誕生で相場展開は変わったが、10倍株候補は多数誕生しているはずだという。
98年はITバブルに向けて短期間で急騰し、すぐに下落した“一発屋”も多かった。渡部さんは、「長期保有で株価が10倍どころか、数十倍以上に上昇した“真の大化け株”には共通点がある」と分析する。
下表は、98年の安値を起点に株価が数十倍になった銘柄の共通点をまとめたものだ(必ずしも全ての条件を満たすわけではない)。こうした大化け株は、上場4年以内の若い企業で、時価総額300億円以下、オーナー企業が多い。そして、渡部さんが最も重要とみるのは、「急成長企業」であること。「中小型株の成長度合いを見る場合、利益よりも売上高の伸びが重要。4年間で売り上げ倍増ぐらいのペースが大化けの目安になる」という。年平均で20%程度の増収なら合格になる計算だ。
足元でこれらの条件を満たす銘柄は50以上ある。その中から、長期的な投資テーマに合う銘柄を狙うのが有望だ。例えばTOKYOBASE(3415)は、「越境EC」「メード・イン・ジャパン」という二大テーマに合致している点で魅力的だという。また、「何と言ってもマネジメント力が重要なので、社長の人となりを確認することも大切」(渡部さん)になる。
投資をするタイミングは、できるだけ株価が下がっている時がいい。IPOから時間が経過し、株価が右下がりになっているチャートが狙い目だ。成長株の割安度はPERでは測りにくいため、PSR(時価総額÷売上高で算出)で見るのが効果的。PSRが2.5倍を切っていれば割安水準だという。
購入後は、決算ごとに売上高の伸びをチェック。「売上高が伸びていれば、いずれ利益も伸び、株価にも反映される」(渡部さん)。売上高の伸びが鈍化した場合は、成長シナリオが崩れた可能性もあるので売却も検討した方がいいという。
(日経マネー 市田憲司)
[日経マネー2017年2月号の記事を再構成]
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