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【正論】高い近代化のハードルを乗り越えた日本と、そもそも近代化する気がない周辺国 筑波大学大学院教授・古田博司

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【正論】
高い近代化のハードルを乗り越えた日本と、そもそも近代化する気がない周辺国 筑波大学大学院教授・古田博司

古田博司・筑波大学大学院教授 古田博司・筑波大学大学院教授

≪三種の神器使いこなす人材を≫

 さて、近代以後はインターネット、グローバリゼーション、イノベーションの三種の神器をうまく使いこなせるような「新しい秀才」を教育しなければならない。そこでアクティブ・ラーニングが盛んに言われるようになったのだが、実のところどうしたらよいのかわからず、模擬試験問題を流布するだけとなっている。

 理工系や医系の研究系には、実験の課題を課すのがよいのではないだろうか。近代の秀才は、勉強はうまいが実験がへたな者が多い。医系の臨床系には、手先の器用さを課題として課すのがよいだろう。手先が不器用では手術もへたになる。

 人文社会系は、ストーリー形成がうまい者を育てるのがよい。現実の世界も社会もただの出来事の連鎖だが、そこにストーリー性がないと人間には認識できないのだ。出来事を並べておいて、ストーリーを導き出す出題をするとよい。何ごとも有用性を基準にし実験、手技、説得力を育成するのである。そして人生は、自分を実験しながら生きるのがよいと思う。(筑波大学大学院教授・古田博司 ふるたひろし)

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