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【正論】
高い近代化のハードルを乗り越えた日本と、そもそも近代化する気がない周辺国 筑波大学大学院教授・古田博司
韓国の“シャーマン”の国政介入しかり、産経新聞ソウル支局長の報道や学者に対する学問の自由の弾圧は、古代の「文字の獄」である。専制者の怒りに触れた「筆禍」というやつだ。「従軍慰安婦」は、歴史上奴隷制のなかった分業国家・日本国に対する、奴隷制国家からのぬれ衣(ぎぬ)である。自分たちの古代が日本にも当てはまると思い込んでいる。ロシアのシベリア抑留は、奴隷労働のシベリア捕囚である。みんなが働くので奴隷のいらなかった日本人には、彼らの古代がよく分からない。
≪「自制の予感」が働かない≫
古代の大国だったシナは、じつは打たれ弱い大国である。遼陽を落とされれば直隷まですぐに占領された。地政学的にヴァルネラビリティ(vulnerability=打たれ弱さ)があるので、現在でも「威嚇」と「牽制(けんせい)」の国際政治しか知らない。昔どんなことをやっていたかといえば、朝貢人数を水増しして儲(もう)けようとしたモンゴル族を威嚇しようと出兵し、逆に王様が捕まってしまった、土木の変(1449年)がある。
李朝には軍馬を3万頭出せと牽制したが、李朝は分割払いの9千頭でごまかした。で、シナの王様が捕まると李朝はすっかりおびえて、次の満洲族征伐には村一つを襲ってすぐに逃げ帰った。成化3年の役(1467年)という。