【社説】兵役期間短縮を公約に掲げる次期韓国大統領選候補者たち

 このポピュリズム競争には兵役期間の短縮も当然入ってくる。文氏は現在21カ月となっている兵役期間を18カ月にまで短縮するとしており「最終的には1年ほどとすることも可能」と主張している。これに対して李在明市長は「10カ月」と突然言い出したが、これではギャンブルの駆け引きで賭け金を上げるのと全く同じだ。批判を受けた文氏は「1年というのは募兵制と同じく、国防改革が実現したときに初めて可能となる長期目標だ」などと説明に追われた。いずれにしても兵役期間短縮問題は、今や福祉のバラマキと並んで選挙の際に必ず公約として浮上するようになった。2012年の大統領選挙でも文氏が18カ月への短縮を主張すると、朴槿恵(パク・クンヘ)候補(当時)が投票日の前日になって18カ月に言及したことも記憶に新しい。

 20歳男性の人口は現在35万人だが、2025年には22万人にまで減少する。兵役期間を短縮するどころか、現実は兵力を維持することさえ非常に難しいのだ。しかも現場の兵士たちは職務に慣れたと思ったら除隊してしまうのが実情だという。そのため本当に責任ある候補者であれば、北朝鮮の脅威が高まる中で兵役期間はむしろ延長する方向で検討してもおかしくないだろう。このままでは韓国における選挙も政治も完全に崩壊してしまうのではないだろうか。

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