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(朝鮮日報日本語版) 【社説】帰国後1週間で韓国人をがっかりさせた「素人政治家」潘基文

朝鮮日報日本語版 1/19(木) 9:03配信

 潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が帰国してから1週間が過ぎた。今は「まず民心を聞きたい」と全国各地を回っているところだ。まもなく同氏の考えやビジョンを明らかにする時が来るだろう。ところが、この1週間の様子を見た多くの人々が「一体何をしようとしているのか分からない」という反応を示している。潘基文氏がまごついているかのように見えるこの期間中、同氏を攻撃しようとする勢力はほぼ連日、小さなあら探しをしている。それなのに、この1週間で記憶に残っているのは、こうした取るに足らない争いしかないという人も少なくない。それもすべて、この重要な時期に同氏が示したものがこれと言って特になかったからだ。

 潘基文氏の最近の動きを見ると、国民に何か明確な独自のメッセージを伝えるのではなく、ただみんなを満足させるためにあちこち行ったり来たりしているだけのように見える。「(貨客船セウォル号沈没事故で救出作業の拠点となった)彭木港にだけ行くのか」と批判されると、すぐに(北朝鮮に撃沈された哨戒艦)「天安」の現場も訪れるといった具合だ。終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備方針はあらためて確認したが、国際外交の舞台で長年先頭に立ってきた人物が韓日慰安婦合意の再交渉を示唆するとは、ほかの大統領選出馬候補者と何一つ違わない素人のように見えた。深刻な経済危機の解決策として未来志向的なビジョンを掲げることもなく「財閥改革」を持ち出したのも、無責任な大衆感情を後追いしているだけだ。

 帰国した時は、「すぐにどこかの政党に入るというわけではない」と語った。ところが、16日には「党がないから資金に関する問題が非常に難しい。1人でやろうとしたら金銭面がまず厳しい」と言った。まるでカネが足りないから入党するかのように聞こえる。いくらオフレコ前提だったとしても、難局に対する認識が不足していると指摘されても仕方がない。次期大統領選挙が早まれば、投票日まであまり時間がない。早いうちに「なぜ大統領になろうと思ったのか」「大統領になって何をしようとしているのか」について、ほかの候補者たちには決してまねできない、潘基文氏ならではのビジョンを提示できなければ、状況はさらに厳しくなるだろう。

最終更新:1/19(木) 9:03

朝鮮日報日本語版

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