成菩提院の訓練で行われた水膜放水(左)と福田寺の放水訓練(右)の様子
昭和24年1月26日に法隆寺金堂の壁画が焼損したことを機に、大切な文化財を火災や災害から守ろうと、この時期にあわせて全国的に文化財防火運動が展開されています。
平成26年1月20日、柏原の成菩提院(じょうぼだいん)では、住職や地元の方の初期消火訓練や重要物品の搬出訓練が行われたほか、消防団と消防署が連携して放水訓練を実施。また、延焼を防ぐために山火事などで用いられる「水膜放水」も行われ、穴が開いたホースから水のカーテンができている様子を地域の方が見守っておられました。
この訓練を主催した米原消防署の藤岡署長は、「早い通報と避難、適切な初期消火が火災の規模に大きく関わります。訓練の反省と検証を行うことで次につなげてください」と、参加者のみなさんに語りかけておられました。
同じく1月20日、長沢の福田寺(ふくでんじ)でも寺院南側から出火したという想定で訓練が行われ、地域の消防団など総勢45人の方が参加されました。この訓練は、国指定の重要文化財である福田寺を守ろうと、毎年1回自主的に実施されているものです。
長沢では女性消防隊が組織されおり、この日も軽可搬式ポンプをきびきびとした動きで操作して、寺院近くの池からポンプで水をくみ上げ、機動力のある初期消火訓練を行っておられました。
訓練後、瀬戸川教育長は、「地域で連携して、毎年訓練を重ねておられることがすばらしい。文化財を次の世代につなぐのは私たちの使命です。今後もみなさんの力で地域の宝を守ってください」と語り、訓練を見守っていた大谷住職も「みなさんのテキパキとした行動が非常に心強かったです」と感想を述べられました。
長い歴史の中で守り伝えられてきた貴重な文化財。このふたつとない宝を守るために、訓練を重ねることの大切さを再認識した一日となりました。