川崎重工業の米国グループ会社は18日(米国時間)、トランプ次期米大統領が司会をつとめていた米国の人気テレビ番組「アプレンティス(見習い)」のスポンサーから降りる意向を示した。米メディアが報じた。トランプ氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして番組に関わっていることが理由という。
アプレンティスは米三大ネットワークの一つ、NBCが2004年から放送する人気番組。有力経営者の会社で一般人の参加者が見習いとして働く様子を追いかける内容で、彼らの奮闘ぶりや悲喜こもごもが視聴者の共感を呼んだ。
トランプ氏は司会をつとめ、「You're fired!(おまえはクビだ!)」という決めゼリフが人気を集めた。番組の司会は現在、前カリフォルニア州知事の俳優、アーノルド・シュワルツェネッガー氏に代わっているが、トランプ氏は「エグゼクティブ・プロデューサー」の肩書を今も持っているという。
ロイター通信によると、川重グループのカワサキモータースUSAの広報担当者は「米国市民の懸念を考え、トランプ氏が関わる限り、番組に参加しないという結論に達した」と説明している。
米国では交流サイト(SNS)上で、トランプ氏と取引がある企業などに対し、「グラブ・ユア・ウォレット(財布のひもを締めよう)」と呼ばれる不買運動が盛り上がっている。
アプレンティスのスポンサー企業、大統領選でトランプ氏に寄付した企業も不買運動の対象としてやり玉にあがっており、その数は約70社に及ぶという。川重の米国法人はこれらの運動の影響を懸念し、番組のスポンサーから降りる方針を固めたと見られる。
(岸本まりみ)