【ニューヨーク=高橋里奈】トランプ次期米大統領の20日の就任式に関連するコンサートに、出演を拒否するアーティストが相次いでいる。米メディアによると歌手のエルトン・ジョンさんやセリーヌ・ディオンさんらが断り、出演するのはオーディション番組の元出演者など。女性蔑視や人種差別的な姿勢が尾を引き、芸能界の大物はトランプ氏に距離を置く。米国人の間では「見る価値が全くない」としらけた雰囲気も広がる。
過去のオバマ大統領の就任式では有名歌手のビヨンセさんやアレサ・フランクリンさんらが熱唱し、ムードを盛り上げた。一方でトランプ氏の就任式にはニューヨークのダンスカンパニー「ロケッツ」や、過去の就任式でも歌った合唱団などが参加する予定だという。オバマ氏の就任式と比べると「名声のある人は出演しない」(30代男性)との印象がぬぐえない。
失言が相次いだトランプ氏の就任式関連イベントを巡っては、LGBT(性的少数者)のファンらの反対で、ベテラン歌手のジェニファー・ホリデーさんが承諾した出演を撤回。英国人歌手のレベッカ・ファーガソンさんは黒人差別反対のメッセージが込められた「奇妙な果実」を歌うことを出演の条件としたが、トランプ氏側に受け入れず取りやめたと報じられている。
出演団体のロケッツや合唱団でも参加を拒否するメンバーがいるという。トランプ氏の移民やLGBTなどに関する発言に拒否反応を示す人は多く、「トランプ大統領」が誕生しても反発は収まらなさそうだ。