オリ・金子の握り参考に手応え【拡大】
決断の裏には、将来を見据える27歳の右腕ならではの葛藤があった。
「自分が35歳、40歳となったときに、行き詰まったら手を掛けようと思っていた。正直、引き出しの中にしまっておきたい球種だった。だけど今年はWBCもある。去年秋の強化試合で、フォークボールを投げる投手がことごとく打たれていた。自分は投げなかったけど、どうしても置き換えて見てしまう。目先の結果ではないけど、そんな中で一度、挑戦してみようと思いました」
イメージは、パ・リーグの好投手から得た。
「抜くというより、中指と薬指でストレートを投げるイメージ。強化試合の時にソフトバンクの武田(翔太)の話を聞いて、オリックスの金子千尋さんがそういう投げ方だと。みんな金子さんのチェンジアップはいいと言う。僕はカットボールもスライダーもシュートも、(縫い目に)かけるボールが得意なので、抜くというイメージはしづらかった。だけど、この中指と薬指でストレートを投げるというイメージはわく。投げられるかなと」