躍進「UQモバイル」に見るKDDIの本気とは?

フカキョンが踊るUFOのテレビCMで話題

積極的なプロモーション施策で注目を高めているUQモバイル。普段と異なるガチャピン、ムックの色にも、実はストーリーがある(写真:著者提供)

「イチキュッパ、イチキュッパ」。ピンク・レディーの名曲「UFO」にのせて、深田恭子さんや多部未華子さんが踊るCMを目にした方も多いだろう。MVNOの中でも、積極的な広告展開で注目されているのが、UQコミュニケーションズの「UQモバイル」だ。

データ通信サービスの「UQ WiMAX(ワイマックス)」で知られる同社だが、KDDIのグループ企業ということもあり、KDDIのネットワークのみを用いた数少ないMVNOとして、スマートフォン向けの通信サービスも展開している。

UQモバイルはもともと、KDDIが2014年に同社のネットワークを用いたMVNOを増やすべく立ち上げた子会社が提供していた。ただ、他社との差別化ができず、ユーザーの支持を得られなかったため、2015年6月にUQコミュニケーションズと連携を進め、同年8月には合併。UQコミュニケーションズがUQモバイルも展開するようになったのだ。

KDDIグループの強みを発揮

UQモバイルが躍進するきっかけとなったのは、昨年2月に「ぴったりプラン」を提供したことだった。月額2980円で高速データ通信容量が1ギガバイトながら、国内向けの音声通話が1200円分無料になるプランだ。

音声通話のニーズが高まりつつあったものの、まだ多くのMVNOが音声通話に力を入れていなかった時期に通話付きのプランを提供したことで、注目度は急速に高まった。

そしてもう1つ、大きなポイントは、昨年7月にアップルの「iPhone 5s」の販売を開始したことだ。MVNOがアップルと交渉してiPhoneを販売することは困難なことから、型落ちとはいえ、iPhoneを正規に取り扱ったことは、大きなインパクトだった。iPhoneを販売できたのは、KDDIグループであることが大きく影響しているといえそうだ。

ではなぜiPhoneを取り扱う必要があったのか。

次ページなぜiPhoneが必要だったのか
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
ホンダの限界

ホンダが「らしさ」と効率化の間で揺れている。車づくりを世界各拠点の独自性に委ね「らしさ」を維持してきたが、生産が500万台を超え、個性と効率、どちらをとるかの分岐点に立つ。