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【大相撲】

逸ノ城、復活ののろし V戦線残った 3場所ぶりに勝ち越し

2017年1月18日 紙面から

逸ノ城(右)が寄り切りで佐田の海を破る=両国国技館で(北田美和子撮影)

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◇初場所<10日目>

 (17日・両国国技館)

 平幕の逸ノ城(23)=湊=が佐田の海を下して3場所ぶりに勝ち越すとともに、2敗を維持。優勝争いに残った。大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は大関照ノ富士を寄り切って1敗を堅持。平幕の貴ノ岩が2敗目を喫したため、再び単独首位に立った。横綱白鵬(31)=宮城野=は勢との2敗対決を突き落としで制した。横綱鶴竜(31)=井筒=は関脇玉鷲に突き出され、5勝5敗。かど番の琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=は大関同士の一戦で豪栄道の肩透かしに屈し、3勝7敗で関脇転落へ後がなくなった。

      ◇

 逸ノ城が軽やかに土俵を走る。右を差し、左上手をつかむ得意の形になると一気に前へ。「完璧です」と自画自賛。怪物復活の、のろしを上げる3場所ぶりの勝ち越しを決め、1差で優勝争いにも食らいついている。

 腰椎椎間板ヘルニアに襲われたのは昨年8月の夏巡業中。全治1カ月で「手術の可能性も」といわれた重症だった。9月の秋場所は全休。3週間の入院生活では「トイレにも左側がしびれていて、腰が曲がって1人じゃいけなかった。夜中も痛みで寝られなかった」。医師であるおかみさんの真さんも「入院したときは1分歩くのもやっと。スタスタ歩けるようになったのは10月に入ってからでした」という。

 意を決して取り組んだのがダイエット。「カロリーが低くておなかいっぱいになるもの。豆腐とか、野菜を多く。肉は脂が少ない肉を。炭水化物を減らして」という真さんのアドバイスのもとで自己最高の214・7キロから、一時は185キロまで減量した。

 洋服も8Lから6Lまで小さくなって復帰した昨年九州場所は「自分の体重に慣れていなかった」とコントロールできず7勝8敗。193キロ(実測)で臨む今場所は、ダイエットにも馴染み「(スピードも)こんなに違うんだと思った。去年の取組をユーチューブで見て、すごいなと思った。今と違うなって」と太っていたときを笑いながら振り返った。

 大好物はパン。「ジャムなんとかパンとか、ミルクフランスパン。甘い系ですね。ジャムがないパンは嫌いです」と言ってはばからないが「決めたらやるんです」と一度も口にしていない。

 病院のベッドでテレビを見つめていた昨年秋場所。「みんないいなあって思いながら見てましたね」。優勝争いは「そんな、全然」と笑って否定するが、逸ノ城はうらやましいほど生き生きと土俵を躍動している。 (岸本隆)

 

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