就活生の皆さん、こんにちは。人材研究所(東京・港)の曽和利光です。今回日経電子版上に開設した「就活相談室」にたくさんの応募を頂きました。さっそく集まってくれた3人の就活生と模擬面接をしてみます。厳しくチェックしていきますよ。
今回の参加者
▽桝田敬太郎さん(中央大学法学部3年)
▽本島佑人さん(慶応大学商学部3年)
▽石塚正樹さん(法政大学経営学部3年)
■最も多い質問、「ガクチカ」
――まずは、採用面接でいちばんよく聞かれている質問をします。学生時代に頑張ったこと、力を入れたことは何ですか、という、いわゆる「ガクチカ」ですね。桝田さん、いかがでしょう。
桝田さん はい。僕は学生時代には勉強会の主宰に力を入れました。
――勉強会とはどのようなものですか?
桝田さん 期末試験ごとに、僕の友人や知り合いに勉強を教えるんです。試験科目の勉強です。
――大学の試験の勉強ですか?
桝田さん はい。それを通じて、参加者に単位を取ってもらうのはもちろん、自ら主体的に学んだり講義に出席したりするような環境をつくりたいと考えて、力を入れていました。
さて、ここまでで見てみましょう。「講義の単位を取るための勉強会を主宰した」ということを聞き出すために、3回もやりとりが必要になりました。面接官がそこまで聞いてくれなかったらどうなるでしょう。実は1次面接などの選考初期の面接官って、みな素人なんですよ。一般の新卒採用の内定率は平均すると1%前後といわれています。内定者が100人なら1万人受けるわけですね。それだけ面接をしようと思ったら、人事部の「プロ」だけではとても足りません。例えば営業課長といったような、現場の社員を駆り出すしかないですよね。そんな素人面接官の、ざっくりとした質問に対して、皆さんの側から必要なことをしっかり伝えていかねばならないわけです。
■ディテールが足りない
――それでは次は本島さん、いかがですか。
本島さん 僕は常にしっかり目標を立てて、それを達成するということに力を入れてきました。具体的には、中学・高校の部活で取り組んだバスケットボールでは、チームプレーを頑張りました。僕はチームプレーがいちばん重要だと思っていますので、ミーティングでも何がダメだった、何がいいといった会話をみんなですることで、成果につなげようとしました。
――どんな会話をすると成果につながるんですか?
本島さん あそこの動きがダメだったとか、じゃあこうすればいいんじゃないかとか、ベンチからの意見も交えて話し合うと、ここがダメだったとわかるんです。チームでそうやって話し合う姿勢をゼミなどでも生かそうと考えてきました。
これはすべての就活生に共通の傾向なのですが、とにかく具体的なディテールが不足しています。私はよく「こそあど言葉に注意」と言っています。「あそこの動きがダメだと話し合った」といいましたが、面接官には通じません。「背の高いメンバーが少なく空中戦に弱いので、足元にパスを通すようにしようと話し合ったら、パスの成功率が上がって勝ち星に結びついた」――例えばこんな風に話さないと、何も言っていないのと同じことになってしまいます。
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