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 75歳以上が加入する後期高齢者医療制度を使った「あんまマッサージ指圧」と「はり・きゅう」で、事業者による水増し請求などの不正金額が過去8年半で約9億5千万円にのぼることがわかった。厚生労働省が18日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会で明らかにした。

 後期高齢者医療制度が始まった2008年4月から16年11月の間で、計約5万5千件を確認。返還請求をしているが、一部事業者は不正を認めず返されていないという。患者の自宅に出向く「往療」で距離を水増しして加算額を増やすケースや施術回数の水増し、架空請求が多かった。都道府県別では和歌山が最多で約1億6千万円、次いで大阪が約1億4千万円だった。

 75歳未満は調査していないが、利用者の大半が高齢者だという。厚労省は支給申請書の審査体制の強化や事業者への指導監査の実施などを検討する。