This truly massive alligator was spotted casually walking across a path in Central Florida. The locals call it "Hunchback." pic.twitter.com/rBMt6JwtQ4
— CNN (@CNN) 2017年1月17日
米フロリダ州にある保護区域の一角を、巨大なワニが闊歩する動画が撮影された。昨今、写真や映像のねつ造は珍しくないため、この動画がインターネットで話題になったときも、いささか疑ってかかる人がいた。だが専門家に尋ねてみると、本物の可能性が高いという。(参考記事:「ワニに乗ったアライグマ、写真は本物?」)
そう、アメリカアリゲーター(学名:Alligator mississippiensis)は実際、これくらい大きくなることがあるのだ。
「アメリカアリゲーターの体長は、2014年にアラバマ州で駆除された個体の4.5メートルが、公表された記録の中では最大です」と話すのは、生物学者デビッド・A・スティーン氏だ。「この動画のアメリカアリゲーターは、記録にあるような最大級のものほど大きいようには見えませんが、作り物ではと疑う理由も見当たりません」
ロサンゼルス動物園で爬虫類を担当する学芸員、イアン・レッチオ氏も同意見だ。
「撮影された動物は間違いなくアメリカアリゲーターです。かなり大きい方で、おそらくオスでしょう」とレッチオ氏。「背景にいる人が後から合成されたかどうかは何とも言えませんが、映像は本物に見えます」
動画を撮影しフェイスブックに投稿した女性、キム・ジョイナーさんは地元のニュース番組「News 6」に対し、ワニは体長12フィートくらい(約3.7メートル)に見えたと話した。レッチオ氏は、写真や映像では背景との対比によって手前の被写体が実際より大きく見えることがあると指摘しつつ、「12フィートは見当外れな数字ではありません」と話した。(参考記事:「史上最大の海生ワニの化石を発見、チュニジア」)
大型ワニは保護活動の成果
こうした大型のワニがインターネットで注目を集めるのは今回が初めてではない。昨年、フロリダ州パルメットにあるゴルフコースを横切る大きなワニの動画が拡散し、都市伝説やネット上のうわさなどを検証するサイト「Snopes.com」が本物と明言した。
もし巨体のアリゲーターを目撃したら、オスである可能性が高い。メスのアリゲーターは比較的小さく、3メートルを超えることは通常ない。クロコダイル科のワニはアリゲーター科よりもかなり大きくなることがあり、記録にある最大の個体は6.17メートルもあった。(参考記事:「【動画】ワニの共食いシーンを目撃、米国」)
クロコダイル同様、アリゲーターは70~80年に及ぶ生涯の間ずっと成長し続けられる。とはいえ、最大のワニが最長老というわけでは必ずしもない。アリゲーターの中にも個体差があるのは人間と同じだ。
ここにきて、恐竜みたいな大ワニの目撃例が出てきたのには理由がある。保護活動が功を奏し、ワニの個体数が回復しているのだ。
「以前、この種は苦境にあり、絶滅の危険もありました。それで個体数も減ってしまっていたのです」とレッチオ氏は言う。「最近では、より年を重ねた成体のアリゲーターが見られますが、過去にはなかったことです。そうなる前に乱獲されていましたから」(参考記事:「復活するワニの楽園、ブラジル」)