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テレビとネットでプロ野球の放送権奪い合いへ

大谷は米大リーグへ、高校野球では女子選手が誕生?

2017年1月19日(木)

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 昨秋からnikkei BPnetで連載していました本コラム、本年からは日経ビジネスオンラインで装い新たにスタートすることになりました。引き続き、スポーツの振興が日本の発展に寄与できると信じて、発信を続けていく所存です。よろしくお付き合いください。

 さて本年第一弾のコラムでは、主に私の得意分野である野球業界の今年あるいは近未来の展望を、経済・経営の側面から俯瞰して占ってみます。既定路線の話あり、荒唐無稽な「とんでも予想」(英語でいうところの「bold prediction」)あり、さらには、ありえない「夢物語」ありで、玉石混合ですが、どうかお許しください。

 まずは手堅いところからいきましょうか。

2017年のプロ野球業界はどう動く?(©Ievgen Onyshchenko-123RF)

【順当】大谷翔平は米メジャーリーグへ移籍

 米プロ野球のメジャーリーグ(MLB)の新労使協定により、25歳未満の外国人選手との契約に大きな制約が設けられることになりましたから、噂されていた10年300億円などの歴史的な大型契約となる可能性はなくなりました。しかし、大谷本人がMLBでプレーすることを最優先させたい意向のようですから、大きな故障でもない限り、MLB移籍は揺るがないでしょう。あとは二刀流をどうするか。二刀流を続けるならば、指名打者制(DH)のあるアメリカンリーグしかありません。

 もちろん、球団によるポスティング(入札)を受ける際に、選手が希望球団を表明することはできません。それでも、「二刀流を前提にしたい」と意思表示することは、プロ野球球団のフロントとして国際交渉に携わってきた経験からすれば、ギリギリセーフかなあ。

 それにしても、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平に関する戦略は見事としか言いいようがありません。「MLBに入団したいから日本の球団は指名を回避して欲しい」という大谷選手の希望を尊重して、他球団が指名を回避するなかで、ファイターズは敢然と1位で指名し、熱心に説得して、翻意に成功しました。一部でささやかれた密約説に対しても、入団交渉に際して使用した資料を一般に公開するなど、非常にスマートなやり方で世間を納得させたのも広報戦略のお手本です。

 そして二刀流。世間は面白がりましたが、野球界は否定的でした。特に、実績の高いOBほど、否定の度合いは強かったのです。プロ野球は職人の世界ですから、その道の達人が認めない道を歩むのは大変なことです。それを見事に貫くことができたのは、本人はもちろん、現場の棟梁である栗山監督と球団フロントがぶれなかったからで、見事なマネジメントでした。

 ファイターズが1年後の2017年オフに、ポスティングによる移籍を容認すると早々にアナウンスをしたのも、とても上手なマネジメントだと思いました。日本球界の宝を5年でMLBに流出させることについては、世間は喜んでも、球界からすれば産業の空洞化であり、プロ野球の価値低下を懸念する向きもあります。そんな声も、大谷が嬉しそうに球団に感謝している姿を見ていれば、薄まるというものです。

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「小林至「スポーツ経済学ゼミ」」のバックナンバー

  • 小林至「スポーツ経済学ゼミ」

    2017年1月19日

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