10. THE ONE ザ・ワン -Live Version- / BABYMETAL ベビーメタル
曲紹介、最後のトラックは、BABYMETALのTHE ONEです。
BABYMETALは前作にも入れましたが、今回もライブテイクを入れました。
この曲は、映像が公式YouTubeで公開されています。
昨年発表の2nd アルバム『METAL RESISTANCE』の最後に収録されている曲ですが、ライブで聴くのは格別です。
私は昨年4月の新木場コーストで初めて聴きました。他の曲に比べてダンスがなく手の振り付けのみで、視覚的に動きが止まりますから、音楽に集中する時間となります。その中で、最後に同じメロディが何度も何度も繰り返されるので、エモーションが高まり、この場を共有している聴衆全員で一体感を感じさせてくれる、とても良いライブチューンなんですよね。この曲は、昨年の東京ドーム公演では、感動的な演出もあり、より好きになりました。
曲自体は、美しいバランスで同主短調の借用和音が入っていて、ポップスや勿論メタルでも、こういう曲はあまり多くないと思います。ありそうなのは、やっぱりドリームシアターとかでしょうね。元々メロディーも大きく歌っているし、結構スペースのある曲なので、ジャズアンサンブルとしてとてもワークするなと思いました。ですので、基本はそんなに変えていませんが、最後の繰り返されるメロディの後ろのハーモニーは、よりカラフルになるように同主短調の借用和音を中心にヴァリエーションを増やし、そこをドラムソロにしています。
この曲を入れた第一の理由として、純粋にライブで演奏するのが、楽しいんですよ。
おまけに、全くメタルもBABYMETALも聴かないジャズファンにも「とっても良い曲だね」と言ってもらえることが多い! NHORHMライブで演奏しない理由がないと言っても過言ではないぐらい、なんかスッとライブにハマった曲ですね。
ビジュアル、ダンス、コンセプトなどを全く抜きにして、音楽のプロダクト面のみでBABYMETALの音楽をBABYMETALとして認知する要素は何なのか、と、考えた時、本当に当たり前の話なんですが、やっぱり、トーン、サウンド(音色に限定した意味で)だと思いました。
『METAL RESISTANCE』を聴いても、一口にメタルといっても、曲によってサブジャンルが違うので、メロスピかと思ったら突然ラウド系になったり、ヴァイキングメタル風になったり、V系になったり、普通のアーティストだったら、こんなこと絶対しないわけですよ。作曲者は複数人いて一貫性を持っているわけではないし、作詞も本人がしているわけでもないし、一貫したメッセージを発しているわけでもありません。楽曲を構成する根幹、作曲、作詞、メタルの方向性など、プロダクト自体は毎回バラバラなのに、じゃあ何故BABYMETALの音とわかるかと考えると、一貫しているのは、本当に当たり前の話なんですけど、女の子の声とバックの音源との、ギャップのサウンド。
例えば、「あわだまフィーバー」という曲がありますが、あれ、イントロ部分だけを聴いていたら、その後は、歌は十中八九デスヴォイスかラップがくるだろうなと思っちゃいます。そこを、あの声が入るというサウンド。
バックトラックは色んなタイプがありますが、「少女の声と合わない要素」が、高速ツーバスだったり、ラウド系の汚れたサウンドだったり、曲ごとにその対称となるポイントがあると思うんですが、「THE ONE」の場合は、やっぱり同主短調の借用和音というポイントが、絶対少女が歌いそうにないコード進行であり、大きな個性を成す要素かなと思いました。
汚れたサウンドや高速ツーバスがポイントになっているのなら、その曲のメロディー自体が良くても、いざピアノトリオでやろうとしたら、ポイントの再現が難しいので、あまり良いアレンジにならないかもしれません。しかし、メロディやコード進行であれば、ピアノトリオで再現しても、原曲のエナジーは落ちないと思います。
BABYMETALに関して、メタルだ、メタルではない、と色々言われる存在ではありますが、そういう話を見ると、いつも「文化や音楽の進化は、キメラという形で現れるかもしれないよ」ということが、頭をよぎります。勿論、伝統を受け継いで守る人も沢山いて、それも本当に素晴らしいこと。キメラ進化しようとしている人も、伝統を守る人も、色んなスタンスの人が沢山存在することで、シーンが豊かでいられると思いますし、どのジャンルや分野でも同じだろうなと思います。
ということで、ジャンルは違うんですが、とっても良い歌詞のこの曲を最後に紹介したいと思います。日本語ラップによる、日本語ラップについての曲。この曲は、日本でジャズをやる私にとっても、ベビメタのファンの私にとっても、全力でイェイと言わざるをえない名曲。
ということで、2作目も曲紹介シリーズを終わります。
来週からツアーなので、ぜひ生で、ライブで聴いて下さい。
もう3作目完結編の選曲始めてるからね!新しいアレンジもどんどんやってます。
各所でお待ちしております。メタルTシャツでのご来場も、当然のことながら大歓迎です。
1月25日(水)大阪 ミスターケリーズ
1月26日(木)名古屋 スターアイズ
1月27日(金)渋谷 タワーレコード
1月28日(土昼)新宿 ピットイン
ツアー詳細はこちら
3月31日(金)も、都内でNHORHMのスペシャルライヴがあります、追って発表します。
去年Mikikiに書いたBABYMETALについてのコラムも、ぜひご覧下さい。
曲紹介、最後のトラックは、BABYMETALのTHE ONEです。
BABYMETALは前作にも入れましたが、今回もライブテイクを入れました。
この曲は、映像が公式YouTubeで公開されています。
昨年発表の2nd アルバム『METAL RESISTANCE』の最後に収録されている曲ですが、ライブで聴くのは格別です。
私は昨年4月の新木場コーストで初めて聴きました。他の曲に比べてダンスがなく手の振り付けのみで、視覚的に動きが止まりますから、音楽に集中する時間となります。その中で、最後に同じメロディが何度も何度も繰り返されるので、エモーションが高まり、この場を共有している聴衆全員で一体感を感じさせてくれる、とても良いライブチューンなんですよね。この曲は、昨年の東京ドーム公演では、感動的な演出もあり、より好きになりました。
曲自体は、美しいバランスで同主短調の借用和音が入っていて、ポップスや勿論メタルでも、こういう曲はあまり多くないと思います。ありそうなのは、やっぱりドリームシアターとかでしょうね。元々メロディーも大きく歌っているし、結構スペースのある曲なので、ジャズアンサンブルとしてとてもワークするなと思いました。ですので、基本はそんなに変えていませんが、最後の繰り返されるメロディの後ろのハーモニーは、よりカラフルになるように同主短調の借用和音を中心にヴァリエーションを増やし、そこをドラムソロにしています。
この曲を入れた第一の理由として、純粋にライブで演奏するのが、楽しいんですよ。
おまけに、全くメタルもBABYMETALも聴かないジャズファンにも「とっても良い曲だね」と言ってもらえることが多い! NHORHMライブで演奏しない理由がないと言っても過言ではないぐらい、なんかスッとライブにハマった曲ですね。
ビジュアル、ダンス、コンセプトなどを全く抜きにして、音楽のプロダクト面のみでBABYMETALの音楽をBABYMETALとして認知する要素は何なのか、と、考えた時、本当に当たり前の話なんですが、やっぱり、トーン、サウンド(音色に限定した意味で)だと思いました。
『METAL RESISTANCE』を聴いても、一口にメタルといっても、曲によってサブジャンルが違うので、メロスピかと思ったら突然ラウド系になったり、ヴァイキングメタル風になったり、V系になったり、普通のアーティストだったら、こんなこと絶対しないわけですよ。作曲者は複数人いて一貫性を持っているわけではないし、作詞も本人がしているわけでもないし、一貫したメッセージを発しているわけでもありません。楽曲を構成する根幹、作曲、作詞、メタルの方向性など、プロダクト自体は毎回バラバラなのに、じゃあ何故BABYMETALの音とわかるかと考えると、一貫しているのは、本当に当たり前の話なんですけど、女の子の声とバックの音源との、ギャップのサウンド。
例えば、「あわだまフィーバー」という曲がありますが、あれ、イントロ部分だけを聴いていたら、その後は、歌は十中八九デスヴォイスかラップがくるだろうなと思っちゃいます。そこを、あの声が入るというサウンド。
バックトラックは色んなタイプがありますが、「少女の声と合わない要素」が、高速ツーバスだったり、ラウド系の汚れたサウンドだったり、曲ごとにその対称となるポイントがあると思うんですが、「THE ONE」の場合は、やっぱり同主短調の借用和音というポイントが、絶対少女が歌いそうにないコード進行であり、大きな個性を成す要素かなと思いました。
汚れたサウンドや高速ツーバスがポイントになっているのなら、その曲のメロディー自体が良くても、いざピアノトリオでやろうとしたら、ポイントの再現が難しいので、あまり良いアレンジにならないかもしれません。しかし、メロディやコード進行であれば、ピアノトリオで再現しても、原曲のエナジーは落ちないと思います。
BABYMETALに関して、メタルだ、メタルではない、と色々言われる存在ではありますが、そういう話を見ると、いつも「文化や音楽の進化は、キメラという形で現れるかもしれないよ」ということが、頭をよぎります。勿論、伝統を受け継いで守る人も沢山いて、それも本当に素晴らしいこと。キメラ進化しようとしている人も、伝統を守る人も、色んなスタンスの人が沢山存在することで、シーンが豊かでいられると思いますし、どのジャンルや分野でも同じだろうなと思います。
ということで、ジャンルは違うんですが、とっても良い歌詞のこの曲を最後に紹介したいと思います。日本語ラップによる、日本語ラップについての曲。この曲は、日本でジャズをやる私にとっても、ベビメタのファンの私にとっても、全力でイェイと言わざるをえない名曲。
ということで、2作目も曲紹介シリーズを終わります。
来週からツアーなので、ぜひ生で、ライブで聴いて下さい。
もう3作目完結編の選曲始めてるからね!新しいアレンジもどんどんやってます。
各所でお待ちしております。メタルTシャツでのご来場も、当然のことながら大歓迎です。
1月25日(水)大阪 ミスターケリーズ
1月26日(木)名古屋 スターアイズ
1月27日(金)渋谷 タワーレコード
1月28日(土昼)新宿 ピットイン
ツアー詳細はこちら
3月31日(金)も、都内でNHORHMのスペシャルライヴがあります、追って発表します。
去年Mikikiに書いたBABYMETALについてのコラムも、ぜひご覧下さい。