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モディ印首相、ダボス会議の裏で中国の「一帯一路」を批判

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モディ印首相、ダボス会議の裏で中国の「一帯一路」を批判

ライシナ会議で演説するインドのモディ首相=17日、ニューデリー(AP) ライシナ会議で演説するインドのモディ首相=17日、ニューデリー(AP)

 【ニューデリー=岩田智雄】インド政府共催の国際問題を議論する「ライシナ会議」が17日、ニューデリーで開幕し、モディ首相は演説で、「地域の連結性は、他国の主権を無視したり、傷つけたりするものであってはならない」と述べた。スイスで同じ日に始まった世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で基調講演を行った中国の習近平国家主席が主導する「一帯一路」構想を名指しを避けながら批判した形だ。

 中国は、現代版シルクロード経済圏を構築するこの構想でインド洋周辺国などで陸路や港湾の整備を支援し、中国の影響力拡大を嫌うインドを刺激している。特にインドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方のパキスタン支配地域とパキスタン南西部グワダル港を結ぶ地域を中パ両国が一帯一路の「合流点」と位置づけ、「中パ経済回廊」として整備していることにインドは反発してきた。

 これに対抗し、インドは、グワダル港に近いイラン南東部のチャバハル港整備に協力し、インドからイランを経由し、アフガニスタンなど中央アジア方面に向かう「南北交通回廊」構想を進めている。

 モディ氏は演説で、この構想を「平和と進歩と繁栄のため」と強調する一方で、「関係国の主権を尊重することによってのみ、地域の連結回廊はその約束を果たし、不和と紛争を回避できる」と強調した。会議には、日米を含む65カ国の指導者、当局者など250人余りが招待された。

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