世界で「サムスンたたき」リスク浮上

 崔順実(チェ・スンシル)事件を捜査している特別検事が李在鎔(イ・ジェヨン)副会長について、贈賄の疑いで逮捕状を請求したことで、今回の問題は韓国国内の政治・経済にとどまらず、国境を越えた問題に発展するとみられる。

 特別検事は2015年のサムスン物産と第一毛織の合併過程で国民年金の賛成を取り付ける見返りとして、サムスンが約430億ウォン(約41億8000万円)の賄賂を支払ったとみている。今回の捜査を根拠として、米国など主要国が汚職防止関連の法律に基づき制裁に動く可能性を否定できなくなった。世界的に景気が依然回復せず、主要国による保護貿易主義の傾向が強まる中、韓国を代表する企業であるサムスン電子をけん制する機会を逃すことはないとみられるからだ。特に20日に就任するトランプ米次期大統領は昨年の大統領選の過程で韓米自由貿易協定(FTA)の改定まで主張しており、サムスン電子が韓米通商交渉の「人質」にされる状況も考えられる。

■海外で一斉にサムスンたたきも

 李副会長が司法処理された場合、米政府は海外腐敗行為防止法(FCPA)による制裁を検討する可能性がある。1977年に制定された同法は米国企業だけでなく、外国企業であっても米国の株式市場に上場している場合、外国の公務員に賄賂を贈るなど不正な方法で公正な競争を害したと判断されれば、処罰を行うことができる。制裁権限は米司法省と証券取引委員会(SEC)が握っている。

 サムスン電子は米国上場企業ではない上、米国で株式同様に売買が可能な米国預託証券(ADR)を発行したこともない。しかし、2008年の改正でFCPAの適用範囲が拡大されたため、制裁対象になり得ると指摘されている。

 法務法人多来の崔昇宰(チェ・スンジェ)弁護士は「韓国本社から米子会社に商品を輸出しており、(賄賂で得た利益が)米国事業を支援する役割を果たしたと見なし、FCPAの適用を受ける余地がある」と述べた。トランプ政権が韓国の貿易黒字を理由に「韓国を為替操作国に指定する」と圧力を加えてくるとの見方もある中、米国を代表する企業アップルのライバルであるサムスン電子に米国が友好的な態度を示すことはないとみられている。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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