【ラグビーコラム】
夫の佐藤峻一さん(右)、一人娘の果緒ちゃんも、寺田の挑戦を支える【拡大】
14年に佐藤峻一さん(33)と結婚。長女・果緒ちゃん(2)も生まれた。昨年8月のリオ五輪でサクラセブンズは12チーム中10位。それを見ていた寺田は「自分のスピードで貢献できるのではないか」とラグビーに身を投じることを決め、東京フェニックスの門をたたいた。
始めて2週間で試合にも出た。陸上からラグビーに転向した選手の最初の壁となる身体接触も試合でタックルされ、練習しているうちにイメージがついてきたという。東京フェニックスの90キロ近い外国人選手とタックル練習したことで、「日本の選手とやることがそんなに怖くなくなった」とも話す。
「2020年東京五輪が決まったとき、子供がほしい、子供と一緒に五輪を見たいと思ったんですが、東京だし、出た方がいいんじゃないかと頭をよぎったんです。陸上で復帰しなかったのは、陸上では五輪に出ても上位は狙えないと思ったから。サクラセブンズが目指していたのは金メダルだと聞いていたので、2020年では私もメダルを目指したいと思い、そういうチームの一員になれたらいいなと思っています」
夫もサポート役を喜んで引き受け、果緒ちゃんの存在も大きな力。家族の存在を支えに、寺田のチャレンジが始まる。
田中 浩(たなか・ひろし)
1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰した。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の56歳。