金融・投資・マーケット
低金利時代に「リスクなし」でお金を増やすなら、オススメはこの一択
手数料稼ぎの商品に目を向けるな!
山崎 元 プロフィール

余計なものに目を向けないこと

リスクを取る運用についても簡単に触れておこう。

リスクを取る運用の対象は、内外の株式のインデックスファンドで手数料の安い物を一つずつ知っておくだけでいいだろう。

国内株式については、TOPIX連動型のETF(上場型投資信託)の運用管理手数料が安いが、積立投資など少額の売買の場合通常の投資信託で「ノーロード」と呼ばれる販売手数料がゼロのもので、運用管理手数料が年率0.2%以下のものを利用するといいだろう。

外国株式は先進国株式の株価指数(MSCI-KOKUSAIなど)に連動するインデックスファンドで0.2%台前半くらいの運用管理手数料のものを選んで投資するといい。もちろん、ノーロードのものを選ぶのが常識だ。

外貨預金はリスクの割に期待できるリターンが大きくないし、利用の際に掛かる手数料が高いのでお勧めしない。外国債券も同様である。円安になった場合は、外国株式と、さらに国内株式も利益が出る傾向があるので、外貨預金・外債を持つには及ばない。

日本円が低金利の場合、外貨の利回りで投資家を釣るのは金融機関の常套手段だ。実質的な手数料が高い劣悪商品としては、年金保険や終身保険など貯蓄性の保険で外貨建てのもの(豪ドル建てなど)があるが、これも避けた方がいい。金融機関が手数料稼ぎのために、熱心に売ることがあるので注意しよう。

筆者としては、自分の商売(運用に関する評論・コンサルティングなど)にとって不都合な話なのだが、低金利時代の現在、個人が知っておくべき運用商品は、内外の株式インデックスファンドと個人向け国債「変動10」の三つだけで十分だと本音を申し上げておく。

低金利時代は、手数料稼ぎのための運用商品の販売に金融機関が力を入れる「危険な時代」だ。余計なものに目を向けないのが、現実的な知恵である。