屋久島通信員・武田剛 岡村夏樹
2017年1月18日07時03分
自治体が進める「ハコモノ」事業に対し、有権者がその是非を問う住民投票を求め、門前払いされるケースが全国で相次いでいる。直接請求に必要な署名数を集めても首長や議会が後ろ向きで、住民投票を実施するための条例案を否決。地方自治の現場で、様々な民意とどう向き合うかが問われている。
「世界遺産の屋久島を象徴する新庁舎を建設する」。鹿児島県屋久島町が、住民向け説明会を開き、総事業費約20億円をかける新庁舎建設事業の詳細を伝えたのは2016年4月。すでに町議会が、新庁舎予算の一部を可決した後だった。
島内産の杉材を使い、観光客が集まるイベント施設も含めた計4棟を建設する計画。説明会に出席した住民からは、高額な事業費や周知不足を批判する声が相次ぎ、計画の見直しを求める住民団体「屋久島の未来を考える会」(松田正代表)が結成された。
同会は「高齢化が進む島でイベ…
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