【ワシントン=鳳山太成】トランプ次期米大統領は同氏のロシアへの融和姿勢を批判した米中央情報局(CIA)のブレナン長官にツイッターで激しく反論した。「ロシアがトランプ氏の個人的な弱みを握っている」との疑惑を漏らしたとして、トランプ氏は米情報機関への不信を深めている。20日の大統領就任後も両者の関係がぎくしゃくする懸念がある。
トランプ氏の大統領就任を機に退任するブレナン氏は15日、米FOXテレビのインタビューで「ロシアが世界中で行っている行動や意図についてトランプ氏が理解しているとは思えない」と語り、ロシアとの関係改善に意欲を示すトランプ氏をけん制した。
これに対し、トランプ氏はツイッターに「シリアや(ロシアが編入した)クリミア半島、ウクライナ、ロシアの核兵器増強で最悪のことをやってきた」と反論。「こいつが『偽ニュース』を漏洩した犯人か?」とブレナン氏に疑いの目を向けた。
トランプ氏とCIAなど米情報機関はロシアを巡って激しく対立してきた。トランプ氏は「ロシアが個人的な弱みを握っている」との疑惑を一部メディアに流したのは情報機関であるとの説を唱えて批判してきた。一方、情報機関側は漏洩を否定している。
情報機関との対立は大統領就任後も続く可能性がある。トランプ氏が次期CIA長官に指名したマイク・ポンペオ下院議員は12日の米上院情報特別委員会で、大統領選へのサイバー攻撃は「ロシア指導層による攻撃的行為だ」と証言し、ロシアへの強硬姿勢をあらわにした。ロシアに融和的なトランプ氏との違いが目立っている。