米ネバダ州で先日発生した洪水では、3人の男性が重機を巧みに操り、大きな流木やがらくたなど、濁流を流れてくる危険物を引き上げるという活躍をみせ、現場には、その健闘ぶりをカメラに収めようと大勢の見物人が集まった。
その後、3人が活躍する様子を収めた動画はインターネットで大評判となり、「#CraneGuy」「Bridge Ninjas(橋上の忍者)」「リノのダウンタウンのヒーローたち」などのキーワードで大勢の人たちがその健闘を称えた。
ネバダ州リノでは1月8日、トラッキー川が氾濫し、排水路が逆流。当局は周辺の400世帯の約1300人を自主避難させた。
3人の男性は掘削機やトラクタショベルやダンプカーを使って、いくつかの橋の上から、急流を流れてくる大きな丸太やがらくた類を引き上げた。
「楽しかった。でも雨の中、何時間も重機を操縦し、橋に衝突しないよう重い物体を川から引き上げるのは、神経がすり減る作業でもあった」。チームの1人、ジム・ダンカンさんはReno Gazette-Journalの記事でそう語る。
「ゲームをプレイしているようなものだ」とダンカンさん。ただし、重機を操縦する日々の業務は「毎日が挑戦」でもあるという。
同じく重機操縦者のスティーブ・コルトラさんは、濁流から金属製のピクニック用ベンチを引き上げたという。同僚のアーロン・バードさんは、物置き小屋を引き上げた。
当局は、3人が防御の最前線の役割を果たしてくれたおかげで、大きながらくた類の衝突によって、老朽化した橋に余計な負担がかかる事態を回避できた、と感謝を述べている。
3人は3交代制で20時間ほど作業した。
日頃から大型建設機械を操縦している3人にとって、今回の作業は、管やケーブル類を避けながら、穴を掘ったり物を組み立てたりしている日常の業務と何ら変わらなかったという。
3人の活躍はソーシャルメディアで大評判となったが、リノ市内では他にも機器操縦者や建設業者が協力し、防壁やフェンスの設置、道路の封鎖、山砂での盛り土作りなどの作業にあたった。
ネバダ州建設業協会のクレイグ・マドールCEOによれば、同協会は最も助けを必要としている地域に会員企業70社とその従業員を派遣し、機材を提供したという。政府が保有する大量の高額機器や職員を動かすより、民間企業に支援を頼むほうが容易だった、とマドール氏は語る。同協会は、1997年に発生した洪水を受け、緊急時対応で政府機関を支援する目的で設立された。
なお、3人はこの洪水の数日後には、リノのカジノが開催したクレーンゲームのチャリティトーナメントにおいて、今度はガラスケースの中から動物のぬいぐるみをいくつか引き上げ、1350ドルの寄付金を獲得するという健闘もみせている。
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