中国 習主席 ダボス会議でトランプ氏けん制

中国 習主席 ダボス会議でトランプ氏けん制
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スイスで始まった世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」に中国の習近平国家主席が初めて出席して、「保護主義に反対する」と強調し、アメリカの政権交代を前に、「アメリカ第一主義」を掲げて保護主義的な姿勢を見せるトランプ次期大統領をけん制しました。
中国の習近平国家主席は17日、スイス東部で始まったダボス会議に中国の国家主席として初めて出席し、基調講演を行いました。

この中で、習主席は「世界はテロや難民問題などに直面し、不確実性が増している。しかし、金融危機も含め、問題のすべてを経済のグローバル化がもたらしたわけではない」と指摘しました。そのうえで、「保護主義に反対する。貿易戦争をすれば、結局は双方が負けることになる」と強調し、「アメリカ第一主義」を掲げて保護主義的な姿勢を見せるトランプ次期大統領をけん制しました。

中国は、トランプ次期大統領が、中国製品に高い関税をかける考えを示したり、通貨・人民元が意図的に操作されアメリカ企業の競争力が損なわれていると批判したりしていることに、いらだちを強め始めていて、習主席は「中国には、人民元安によって貿易の競争力を高めようという意図はない」とも主張しました。

アメリカの政権交代を3日後に控えた中での習主席の発言は、トランプ氏に大統領就任後の言動を考えるようくぎをさす狙いもあると見られます。

また、習主席は、今月20日に発表される予定の中国の去年のGDP=国内総生産の伸び率が、政府の目標の範囲内である6.7%になる見通しだと述べ、安定成長が続いていると強調しました。そして、みずから提唱したアジアとヨーロッパをつなぐ経済圏構想「一帯一路」を推し進めるため、ことし5月に各国の首脳らを北京に招いて初めての大規模なフォーラムを開く計画を明らかにし、世界経済を主導しようという意思を示しました。