生活保護受給者を支援する神奈川県小田原市生活支援課の歴代職員計64人が「保護なめんな」などとプリントしたジャンパーを自費で作製していたことが分かった。保護世帯の訪問時などに着ていたという。市は「不適切だった」として着用を禁止、17日に記者会見し、福祉健康部長や副部長、課長ら7人を厳重注意したと明らかにした。
ジャンパーの胸には漢字の「悪」を描いたエンブレムがあり、ローマ字で「HOGO NAMENNA」(保護なめんな)と記されていた。背中には「不正を発見した場合は、追及し正しく指導する」「不正受給するような人はクズ」という趣旨の英語の文章が書かれていた。
同課によると、2007年7月に窓口で職員3人が生活保護を打ち切られた男に切りつけられるなどした事件が発生。業務量も多く、職員のやる気が低下していたことから、気分を高揚させ、連帯感を高めようと当時の職員らが製作を始めた。現在は33人の在籍者のうち28人の職員が作っていた。冬に保護世帯を訪問する際、防寒着として着用するなどしていたという。
加藤憲一市長は「理由はどうあれ、配慮を欠いた不適切な表現。市民に誤解を与えることのないよう指導を徹底したい」とのコメントを出した。【澤晴夫】